グループF展望:円熟のクロアチアと停滞のベルギー。モロッコとカナダは速攻が鍵。(カタールW杯)
カタールW杯グループFの行方を展望する。
カタールW杯グループF
クロアチアは当確。ベルギーは不安あり。
モロッコとカナダはベルギー戦が鍵。
ベルギー
(3大会連続14回目)
カナダ
(9大会ぶり2回目)
モロッコ
(2大会連続6回目)
クロアチア
(3大会連続6回目)
ベルギーが本命だが付け入る隙はある。クロアチアは継続路線で成熟が進む。
本命と目されるのはベルギーだが、4年前から戦術的なアップデートはなく、主力の入れ替わりも限定的。ルカクやアザールなどの主力がコンディションに課題を抱えていることも懸念材料だが、タレント力は圧倒的でありグループステージ突破は濃厚か。二番手として続くのは部分的な新陳代謝を進めつつ主力が老いてなお盛んなクロアチアだろう。
久々のW杯出場となるカナダは戦術的にもタレント的にも発展途上であり、むしろ2強に風穴を空けるとすればモロッコか。組織力でアフリカ予選を勝ち上がったチームに、ツィエクやマズラウィなどのタレントが復帰し総合力は高まった。ハリルホジッチ元監督が植え付けた堅守速攻を体現できれば、最終ラインのクオリティに一抹の不安があるベルギーを食うポテンシャルはある。
成熟というよりは停滞の4年間。ベルギーの黄金世代は有終の美を飾れるか。
ベルギーはマルティネス体制6年目となり、デブライネやルカクなども30代となった。ここ数年…どころか、前々回大会から10年弱は主力も戦術もほぼ不変で、成熟というよりはマンネリ感のほうが目立つ印象だ。負傷を抱えた状態で大会入りしたルカク、レアル移籍後はコンスタントに活躍できていないアザールの存在感は依然として高く、EURO2020で名を挙げたドクや最終ラインの新鋭デバストなどの若手の存在感は限定的だ。
とはいえ、デブライネは現時点で世界最高の攻撃的MFであることは間違いないし、ルカクも万全であれば世界屈指のセンターフォワードだ。グループステージは「難敵」と呼べるのはクロアチアくらいで、格下2か国はタレント力でねじ伏せる可能性のほうが高いように思われる。
足元をすくわれるとしたら、最終ラインのクオリティだろう。高齢化が著しい最終ラインは、ベルギーで「余生」を過ごすアルデルヴァイレルドとヴェルトンゲンがいまだに主力でスピード不足が顕著。カナダもモロッコもスピードに優れたアタッカーを擁しているので、一瞬のカウンターで失点する可能性は否めない。とはいえ、それを補って余りある攻撃力はある。
主力が健在で中盤のクオリティは出場国屈指。円熟のクロアチアに飛躍の予感。
クロアチアの強みは何といっても中盤だ。30代後半にしてプレー強度がほとんど落ちないモドリッチを軸に、コヴァチッチとブロゾビッチから成る中盤はそれぞれの特徴の噛み合わせもよく、出場国の中で最高の3人であると言っても過言ではない。前線はマンジュキッチの引退でややスケールダウンしたが、ロブレンやヴィーダへの依存度が高かった最終ラインには逸材グヴァルディオルが台頭。新旧世代が融合し、完成度の高いチームに仕上がった。グループステージ突破の可能性はベルギーを上回るだろう。
カナダは地元開催の次回大会に期待か。モロッコは組織の中にタレントが組み込めればチャンスあり。
久々のW杯出場となるカナダは、ポゼッションやプレッシングなど組織力が必要な戦術に取り組んでいるものの、個々のクオリティでは見劣りする。番狂わせを起こすチームはおおむね「堅守速攻」であることが多いが、カナダは攻守ともにそこまで固さ・鋭さはなく、厳しい戦いが予想される。伸び盛りの若手が多いので、初戦でベルギー相手に一泡吹かせることができれば波に乗る可能性もあるが、現時点では「地元開催の次回大会に向けた経験を積む」という目的のほうが現実的か。
モロッコは予選突破後にハリルホジッチ監督を解任。ハリルホジッチと折り合いが悪く代表から外れていた二大スター(ツィエク&マズラウィ)が復帰し、ほぼベストと言える陣容にはなった。いわゆる「感覚派」「天才肌」系の選手が多く、好不調の波が激しいため計算は立ちづらいが、堅守速攻というチームアイデンティティは明確で、ハマればそれなりのクオリティはある。戦術的な相性という点では、初戦のクロアチア戦よりは第2戦のベルギー戦のほうが可能性があるか。
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