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DOGSOのアドバンテージ適用は、ゴール以外ならロールバックすべき。(プレミア第16節)

イングランドプレミアリーグ第16節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee topics

ククレジャは自制が必要だった。

リヴァプール vs フラム

(Referee: トニー・ハリントン VAR: スチュアート・アットウェル)

前半17分、ゴール前でボールを「攫われ」たロバートソンがウィルソンを倒して一発退場。ボールを奪われて慌てて足を出した形だったが、守備側のカバーはおらずゴールへ一直線…という状況で、DOGSO(決定機阻止)に該当することは間違いない。

ハリントン主審は、そのあとフラム側にボールが繋がったのでゴールの可能性を考慮して当初はアドバンテージを適用。ヒメネスのシュートが外れたのをふまえてファウルが起こった時点にロールバックし、レッドカードを提示した。

ロバートソンの行為は「決定機阻止」なので、フラム側が得るべきアドバンテージ(利益)はゴールのほかない。シュートに至った…というだけでは「割に合わない」ので、ロールバックして反則を採った判断は妥当だろう。

アーセナル vs エヴァートン

(Referee: クレイグ・ポーソン Assistants: エディー・スマート, コンスタンチン・ハツィダキス VAR: ポール・ティアニー)

90分、トーマスが巧みなドリブルでエリア内に侵入し接触して倒れるもノーファウル。対応したミコレンコは厳密にはトーマスに接触した後にボールに触れる…という形になっているが、そもそも接触前からトーマスが前傾姿勢で「倒れかかって」おり、ポーソン主審のノーファウル判定に個人的には賛同だ。

審判目線では、ポーソン主審とA2のハツィダキス副審でしっかり挟む形で事象を見ることができており、ミコレンコがボールに触れたことはハツィダキス副審からはしっかり見えたはず。全体的な状況把握という点ではポーソン主審がベストに近いポジショニングになっており、判定は説得力があった。

ニューカッスル vs レスター

(Referee: トム・ブラモール Assistants: スコット・レジャー, マシュー・ウィルクス VAR: スチュアート・アットウェル)

前半39分、こぼれ球の競り合いでマヴィディディに対しブルーノ・ギマラインスの足裏が入ってファウル。事象発生後に少し間をおいてのファウル判定となり、ブルーノにはイエローカードが提示された。

足首あたりに足裏が勢いをもって入っており、程度としてはオレンジ(イエローでもレッドでもありうる)という範疇だと感じた。したがって、ブラモール主審がイエローでもレッドでもVARとしてはフォロー(介入ナシ)になった可能性が高い。

個人的にはイエローカード判定でよいと考える。足裏は当たっているがクリティカルヒットではなく、かつ弾んだボールを抑えに行く…という行為自体は不適当なものではなく、酌量の余地もある。

もったいなかったのは笛を吹くタイミングが遅れたこと。おそらくブラモール主審からは「接触はあったが部位がわからず」くらいだったと思われ、A2のウィルクス副審などと確認したうえでの判定になったと考えられる。それゆえに事象発生から少し間があっての判定になったが、結果的に判断が遅れた印象を与えてしまい判定の説得力が落ちる形になったのはもったいなかった。

ノッティンガム・フォレスト vs アストンヴィラ

(Referee: サム・バーロット Assistants: ティモシー・ウッド, ウェイド・スミス VAR: ジョン・ブルックス)

34分、ヴィラのロジャースがドリブルで仕掛け、フォレストのアンダーソンに腕を掴まれながらも前進する中で転倒。バーロット主審はノーファウルと判定し、VARがチェックしたものの介入ナシとなった。

最終的にアンダーソンが腕を掴んで突破を阻んだことは事実だが、そこだけを切り取って捉えるのではなくその前の流れも考慮する必要がある。リプレイ映像で見ると、まずはロジャース側がアンダーソンを腕でブロックし、それに応戦する形でアンダーソンも腕を絡めている。そして最終的にはドリブル突破に成功したロジャースに追いすがる形でアンダーソンが腕を掴んで転倒…という流れだ。

転倒シーンだけを切り取るなら明らかにPKだが、前の流れをふまえると酌量の余地はある…とはいえ、正直なところ個人的にはPKを与えるのが妥当だったと考える。最初の掴み合いは許容範囲内にも思えるし、結局明らかに腕を掴んで前進を妨げたのは確かで、ファウルでPK&SPA(チャンス阻止)でイエローカード…という判定が適切だったように思う。

バーロット主審は素早いポジション移動でよい角度を確保しており、A2のスミス副審と連携すれば、腕を掴んでいたこと自体を見逃した可能性はほとんどない。見逃しがないなら主観的な解釈が判断ポイントになるので、VARとしては介入は難しい。そうなるとバーロット主審の判断をフォローするほかないが…モヤッとする判定ではあった。

チェルシー vs ブレントフォード

(Referee: ピーター・バンクス VAR: マット・ドノヒュー)

90+5分、ファビオ・カルバーニョに対しククレジャがスライディングタックル。ボールを刈り取った後にカルバーニョの足を刈り取る形になっており、ラフプレーとしてイエローカードという判定は妥当だろう。足裏がヒットするなどの危険性はなかったので、レッドカードには及ばない。

その後のセットプレーでファン・デン・ベルフと接触したククレジャがややオーバーに倒れこんだこともあり、先ほどのラフプレーと相まってブレントフォード側のフラストレーションが増大したと思われる。この時点でヤネルトが主審への抗議でイエローカードをもらうなど、試合終了に向けて不穏な空気にはなっていた。

そして試合終了の笛が鳴った後、シャーデがククレジャに詰め寄り、それにククレジャも応戦。結果的に両者にイエローカードが提示され、ククレジャは2枚目の警告で退場処分となった。バンクス主審含めて強く詰め寄ったシャーデへの警告は妥当である一方、(強めとはいえ)手を振り払っただけにも見えるククレジャへの警告はやや厳しいようには感じたが、不当とは言えない。

ククレジャ自身には自制が必要な場面であり、セルフコントロールができなかったククレジャにも非はある。ククレジャがマレスカ戦術の中で欠かせない役割を果たしている中では、非常にもったいないカードとなった。

マンチェスター・シティvsマンチェスター・ユナイテッド

(Referee: アンソニー・テイラー VAR: スチュアート・アットウェル)

86分、シティのバックパスがミスとなり、ディアロがカット。エデルソンが飛び出して遅らせたところで、戻ってきたマテウス・ヌニェスがディアロの鋭い切り返し対応できずPK献上となった。自身のミスでボールを奪われたところで必死に戻ったものの、切り返しに対して止まりきれず…という自他ともに認める明白なファウルであった。

テイラー主審としては、予想外の守備側のミスから…というところで後れをとりがちなシーンではあったが、素早いスプリントで距離を詰め、中央寄りではあったが接触が見極めやすい位置に辿りつき、冷静に見極めた。



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