京都サンガのゴールを認めた清水勇人主審の判断は、少なくとも「誤審」ではない。(J1第8節)
J1リーグ第8節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。
審判Topics
小競り合いを収めるには、
本人以外を寄せ付けない
ことが大切。
京都 vs 柏
(主審: 清水勇人 VAR: 吉田哲朗)
90+8分、ゴール前の混戦から最後はオウンゴールで京都サンガが同点に。レイソル側はハンドを主張し、VARチェックには約2分かかったが結局OFR(オン・フィールド・レビュー)なしでゴール確定となった。
ハンドが疑われる事象は2つ。一つはクロスの折り返しを川崎颯太がシュートする前に左手に当たったように見える。ただ、これはそもそも当たったかどうか怪しいレベルであり、直前でコースが変わっている点も含め意図的ではないように思える。手の位置も不自然ではないので、ノーハンドでよいだろう。
その後、ボールがこぼれたところで平賀が放ったシュートがそれて須貝のもとへ。ここで須貝が左の太ももでトラップしたボールが跳ね返るような形で左腕に当たっていることが確認できる。
平賀のシュートはいわば「ミスキック」なので、須貝としては自分のほうにボールが来るのは予測としても難しく、かつ距離も非常に近いので「腕がボールへ」ではなく「ボールが腕へ」のパターン。ましてや自分の足に当たったボールが跳ね返ったわけで、意図的な行為でないのは間違いない。
厳密にいえば腕がやや広がっているようには見えるが、そこまで露骨ではなく、自分の体からの跳ね返りという点もふまえると、ノーハンド判定で問題ないと考える。もし須貝が得点者なら物理的に腕に当たっただけでハンドだが、須貝の後に他の選手がプレーしてゴールへ入っているので、問題ない。
今回の判定については、リカルド・ロドリゲス監督が会見で不満を述べるなど物議を醸している。清水主審としては、ミヒャエル・スキッベ監督から痛烈な批判を浴びた件に続き、今季2度目の騒動となっている。ただ、審判員によって意見が分かれる可能性は若干あるものの、少なくとも「誤審」と評するのはいきすぎで、ノーハンド判定は受け入れられる範疇だ。
C大阪 vs 岡山
(主審: 岡部拓人 副審: 梅田智起、亀川哲弘 VAR: 中井敏博)
90+6分、ファジアーノの一見がエリア内で粘って起死回生の同点弾。しかしVARレコメンドによるOFRの末、田上大地のオフサイドを採ってゴール取り消しとなった。
田上がオフサイドかどうかはかなり際どいが、それはVARが3Dラインで確認しているのでオフサイドポジションである前提とする。そのうえで、田上が西尾とポジション争いをしており、西尾の動きを制限したのは間違いなく、これが「相手競技者への関与」に当たるところまでは誰もが納得だろう。
やや悩ましいのは結局ボールに触れたのは全く関係ない田中駿汰であるという点だが、もし田上の競り合いがなければよりよい体勢で西尾がボールを跳ね返した可能性もある。岡部主審がオフサイド判定を下したのは妥当なジャッジだろう。なお、オフサイドジャッジはかなり際どく、A1の梅田智起副審を責めるのは酷だ。
広島 vs 鹿島
(主審: 笠原寛貴 VAR: 田中玲匡)
37分、鈴木優磨に対し塩谷がファウル。笛が鳴った後、こぼれたボールを蹴った川辺をレオ・セアラが突き飛ばし、イエローカードとなった。
レオ・セアラとしては先制された状況で早くリスタートしたかったと思われ、ボールを蹴って遠くにやった川辺に対して苛立ったと思われる。川辺がボールを抱え込んでいれば絡む正当性も若干あるが、ボールは川辺のもとを既に離れており、突き飛ばしは正当化されえない。
笠原主審は確信犯的なファウルにより対立するリスクもあった塩谷と鈴木優磨の火消しを試みたが、それと同じくして川辺とレオ・セアラの対立が発生。その後、こぼれ球を拾った佐々木翔にもレオ・セアラが絡んだところで、複数回の笛を鳴らして場を収めようと試みた。
レオ・セアラの突き飛ばしを見逃さなかった点、時間をかけてでも選手を落ち着かせた点は評価できる一方で、関係ない選手に取り囲まれてしまったのは改善したいところ。あの場面では当該選手および両キャプテン以外は(警告もちらつかせながら)寄せ付けない姿勢を示すことが事態の早期収束につながる。
対応が間違っていたわけではないが、よりスムーズなオペレーションもありえたのではないか…という印象だ。
川崎F vs 湘南
(主審: 今村義朗 VAR: 池内明彦)
40分、フロンターレの伊藤達哉がエリア内に侵入し、ゴールライン際で切り返したところでベルマーレの鈴木淳之介と交錯するもノーファウル。鈴木は、切り返しに対して完全に逆をとられ、いわば「死に体」の状態で伊藤に突っ込んでいる。個人的にはファウルだと感じた。
足のみでなく体ごと接触している点、またクロスをブロックしようとした流れであると捉えればノーファウルもありえるか。主審が接触自体を見逃したはずはなく、鈴木がボールに触れていない点も認識したうえでノーファウル…となると「明白な間違い」とはいえずVAR介入は難しい。VAR介入なしは妥当だが、個人的にはファウルだと思う。
90分、エリア内で仕掛けた宮城が藤井に倒されてPK。藤井が勢いをもって突っ込んできた中で、それを逆手にとった仕掛けで「誘った」形だ。宮城の倒れ方はやや大袈裟だったが、足がかかっていることは間違いなく、ファウルを採らざるを得ない。
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