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レオ・セアラの転倒はPK妥当。だが、谷本主審の判定は「明白な間違い」とは言えず。(J1第20節)

J1リーグ第20節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

鬼木監督の振る舞いは、

抗議ではなくコミュニケーション。

結果的にサポーターのガス抜きに。

鹿島 vs 広島

(主審: 谷本涼 副審: 長谷川雅、赤阪修 VAR: 小屋幸栄)

7分、アントラーズのレオ・セアラがドリブルで前進すると、エリア内で切り返したところで転倒。サンフレッチェの佐々木の足がかかったように見えたが、谷本主審の笛は鳴らず、結局VARも介入しなかった。

初見の印象および映像を見たうえでの私の見解はファウル。切り返しに逆をとられた佐々木が苦し紛れに残した右足はボールに届かず、レオ・セアラの行く手を阻んだ。レオ・セアラの倒れ方はややオーバーだったが不自然とまでは言えず、佐々木の足の出し方を正当化することはできない。したがってファウルでPKが妥当だったと考える。

ただし、VAR介入は難しい。谷本主審が「接触はあったがノーファウル」と捉えたなら、その主観的な判断を「明白な間違い」とまでは言えないだろう。もちろん、スローで何度も見るとファウルに見えがちな類の接触ではあるが、それを基にOFR(オン・フィールド・レビュー)を勧めるのは、少なくとも現行のVAR運用に求められているものではない。

しばしば誤解されがちだが、VARは「正しい判定を下す」ことではなく「明らかな間違いをなくす」ことを目的としている。今回の接触は「妥当な判定」と「明らかな間違い」の中間くらいに思えるが、レオ・セアラが両手を大きく広げて倒れたこと、佐々木が若干だが足を引いていることなど、ノーファウルを肯定する要素がないわけではない。それらの要素がある以上は、「明白な間違い」とまでは言えないというのが私の見解だ。

ただ、DAZN解説の水沼貴史氏が指摘したように、「カメラのアングル(=横方向)からは引っかかっているように見えますけど、縦方向からは違うのかな」という点は重要だ。谷本主審は非常に近い距離で事象を見ていたが、角度的には引っ掛かり具合を見極めにくい位置ではあった。(かといって主審のベストポジションが他にあるわけではないが)

今回はどの角度から見るかによって印象が大きく異なるので、主審の角度から見えたものを尊重しつつ、VARが提供しうる別角度からの映像を見せたうえで判断をさせる…というのは一手かもしれない。とはいえ、その際も見せる映像はA2の赤阪副審が見たものとほぼ同じ角度になりそうだが…。

なお、試合後に谷本主審のところに歩み寄りやり取りをかわした鬼木監督の振る舞いは、個人的には適切だと思う。スタジアムから大ブーイングが飛ぶ中で、チームの代表として意見を伝え&聞き、コミュニケーションをとったうえでサポーターに自制を促した。抗議を正当化するわけではないが、鬼木監督の振る舞いがサポーターの「ガス抜き」につながった面はある。

清水 vs G大阪

(主審: 高崎航地 VAR: 先立圭吾)

61分、クロスをエスパルスの北川が押し込むも、VARが介入。高崎主審がOFRを行い、北川のハンドを採ってPKとなった。北川は得点者なので物理的に腕にボールが当たっていればハンド。本来はOR(オンリー・レビュー)でジャッジ変更が可能だが、Jリーグでは主審がOFRを経たうえでジャッジを変えるというやり方を採っている。

なお、もし北川のゴールではなくオウンゴールという解釈をとった場合(※)には、北川のハンド判定において意図や位置の妥当性がポイントになるが、腕が広がっている&ボールに向けて動いているので、どちらにせよハンドを採られただろう。

※…ボールがゴール方向に飛んだ場合、相手選手がクリアしようとしてゴールインしても、シュートを打った選手のゴールとして認めるのがサッカー公式記録の考え方。今回の場合も、ハンドがなければ北川のゴールと捉えるのが妥当だろう。



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