主審のポジショニングは「近ければいい」わけではない。「角度」も大切。(CLプレーオフ)
チャンピオンズリーグの決勝トーナメントのプレーオフの2ndレグ。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。
Referee topics
疲労が滲むマルチニアク主審。
40代半ばのコンディション
維持は簡単ではない。
ミラン vs フェイエノールト
(Referee: Szymon Marciniak VAR: Tomasz Kwiatkowski)
51分、シミュレーションで2枚目の警告を受けたテオ・エルナンデスが退場処分に。44分の1枚目の警告は露骨なホールディングで相手の前進を止めるもので本人もイエロー覚悟で異論の余地なし。
2枚目のシミュレーションのほうは、相手のスライディングを認識して咄嗟の反応だとは思うが、接触が起こる前に自ら「跳んで」しまった。浅はかでもったいないプレーだった。
UEFAの信頼が厚いシモン・マルチニアク主審(ポーランド)だが、今節はポジショニングがややバタついた印象。9分には裏へのロングボールに対して突っ込みすぎてしまい、バイタルエリアで立て直しを図ったところでミランの選手と激突。
テオの2枚目の警告シーンでも、シミュレーションという判断は結果的に正しいと思うが、縦に速い展開に後れをとってしまいやや遠めの位置取りだった。若干動きが重いようにも見えたので、連戦でフィジカルコンディションが厳しかったかもしれない。44歳という年齢をふまえると、試合数が増えたチャンピオンズリーグの割当は負担が大きいかもしれない。
ベンフィカ vs モナコ
(Referee: Glenn Nyberg VAR: Rob Dieperink)
72分、エリア内でモナコのケーラーとベンフィカのフレデリク・アウルスネスが接触。当初はノーファウル判定だったがVARが介入し、グレン・ニーベリ主審(スウェーデン)がOFR(オン・フィールド・レビュー)を行った結果、PK判定となった。
こぼれ球をクリアしようとしたケーラーだったが、横からアウルスネスが足を伸ばして鼻先でボールを突いたことで、残ったアウルスネスの足を蹴る形に。ニーベリ主審としてはケーラーが僅かにボールに触れたように見えたと思われるが、リプレイ映像だとボールに触れておらず、ファウルを採るのが妥当だろう。
ニーベリ主審は非常に近い距離で接触を見ていたが、ボールと選手の足が重なって意外と見えにくい角度であり、結果的にボールにどちらが触ったかの見極めに失敗。ポジショニングは「近ければいい」わけではない。
90+1分のPK判定はこれまた近い位置だったが、今度も角度がよくなかった。モナコのクレパン・ディアタが僅かにボールに触れていたのを確認できず、ファウルを採ってしまい、本日2度目のOFRで「訂正」してPKナシとなった。
今回はコーナーキープを近い距離で見に行った直後の流れだったので、通常ではなかなかないイレギュラーな位置取りを余儀なくされたのも影響はあったはず。ただ、立ち止まって見るよりは、よりよい角度をとりにいく努力ができたはずで、前半同様でポジショニングの詰めの甘さが出た形になった。
アタランタ vs クラブ・ブルッヘ
(Referee: Felix Zwayer VAR: Bastian Dankert)
56分、エリア内でボールを受けたクアドラードからエデルソンにボールが渡り、こぼれ球をルックマンが押し込むもハンドでゴール取り消し。しかし、ここでVARが介入し、フェリックス・ツヴァイヤー主審(ドイツ)がOFRを行ったうえで、クアドラードに対するファウルを採ってPK判定となった。
シュートを打とうとしたクアドラードの肩に完全に手がかかっており、ホールディングの反則であることは明白。DOGSO(決定機阻止)かSPA(チャンス阻止)かは難しいが、ボールが弾んでおり近くに他の守備者がいたことをふまえると、ぎりぎりSPA止まりか。懲戒罰はイエローカードに賛成だ。
87分、スローインでのリスタートを邪魔されたトロイが激高し、マキシム・デ・クーパーを後ろから「ド突いて」一発退場。敗色濃厚で理性を失った行動であり、厳罰に値する乱暴な行為だった。ツヴァイヤー主審は速やかに駆け寄って間に入ったものの、制止を振り切っての蛮行となると、主審にできることはレッドカード提示しかない。
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