自動画像

意図的ではなく偶発的でも「プレー機会を奪った」という結果は軽視できない。(J1第24節)

J1リーグ第24節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

ユーリ・ララの足裏チャージは

勢い十分で危険極まりない。

FC東京 vs 浦和

(主審: 御厨隆文 VAR: 小屋幸栄)

20分、レッズのサヴィオのスルーパスに渡邉亮磨が抜け出し、持ち込んでゴール。このシーンでは、渡邉が抜け出すところでショルツと接触しており、これをファウルとするかどうかが微妙な判断になった。

意図的な接触ではなく、ダイアゴナルに抜け出す中で偶発的に接触したのは確かだろう。個人的には倒そうという意図はないものの、結果的にショルツの対応が大きく後手を踏むことになった点もふまえると、ファウルを採るべきではないかと考える。プロセス上では無罪だが、結果をふまえると有罪…という印象だ。

ただ、御厨主審が「接触はあったが偶発的でありノーファウル」と判断したのなら、それを明白な間違いとは言えない。主審が接触自体を見逃していない限りはVAR介入は困難だ。

45+3分、渡邉亮磨から橋本がボールを奪い、最後はマルセロ・ヒアンがゴールネットを揺らすも、VARが介入。OFR(オン・フィールド・レビュー)の結果、ボール奪取の場面での橋本のファウルを採ってゴール取り消しとなった。

橋本はボールに向かって足を出したが、渡邉亮磨が右足を「晒した」ことで阻まれ、ボールに触れず。渡邉亮磨が誘った部分はあるが、ボールをプロテクトする意味では不自然な動きではなく、ファウルを採るのが妥当だろう。

横浜FM vs 名古屋

(主審: 上田益也 VAR: 清水修平)

35分、マリノスの谷口がゴール。ここではオフサイドポジションにいた井上がプレーおよび相手競技者に関与したか…がジャッジのポイントとなった。

井上は和泉と接触しており、接触により和泉は転倒しプレー機会を失った。井上に和泉を倒そうという意図は感じず偶発的な接触に思えるが、上述のショルツに対する渡邉亮磨の接触と似たような性質だと感じる。「偶発的だが、結果的に相手のプレー機会を奪った」と捉えると、ファウルを採るべきだと感じた。

ただ、これも上記事例と同じだが、主審が「接触はあったが偶発的でありノーファウル」と判断したのなら、それを明白な間違いとは言えず、VARが介入するのは難しい。

福岡 vs 京都

(主審: 上村篤史 副審: 唐紙学志、森川浩次 VAR: 中村太)

57分、サンガの福岡のクロスがスライディングでブロックに入ったアビスパの奈良の右腕に当たり、ハンドでPK。腕に当たっているのは確かだが、広げず畳もうという意図は感じる。スライディングをするうえでは自然な位置だが、一方で胴体に完全に付いているわけではない。

個人的にはハンドは厳しいように思う。腕の位置自体はやや高めだが、クロスに対してブロックの面積が広がっているようには見えず、バリアを広げていると捉えるのは厳しいのではないか。ただ、非常に際どい判定であり、主観的な判断による部分が多い事象だ。VARが「明白な間違い」を指摘するのは困難で、VAR介入は難しい。

上村主審の角度から明確に腕が見えたかどうかは怪しいところ。複数の選手に視界を遮られていることもふまえると、おそらくA1の唐紙副審から進言があったのではないか。角度的にはA1の副審はベストポジションに近い。

79分、アビスパの紺野がゴールを決めるも、今度はVARが介入。アシストした岩崎がロングボールを収める際に左腕でボールを扱っており、これがハンドを採られてゴール取り消しとなった。広げた腕にボールが当たっており、映像で見ればハンドは明らか。上村主審のOFRはスムーズに終了した。

清水 vs 横浜FC

(主審: 川俣秀 VAR: 清水勇人)

45+2分、エスパルスのマテウス・ブルネッティに対して横浜FCのユーリ・ララがチャージ。当初は特にカード提示はなかったが、VARが介入。川俣主審がOFRを行ったうえで、ユーリ・ララにレッドカードを提示した。

リプレイ映像で見ると、ユーリ・ララの足裏が高く上がった状態でブルネッティに向かい、勢いそのままに脛のあたりにヒットしている。骨折などの危険性がある非常に危険なプレーであり、一発退場に値することに異論はない。

ユーリ・ララが足裏を上げた状態で遅れて突っ込んだのは確かなので、イエローカードすら提示しなかった川俣主審の当初判定には疑問が残る。角度がうまく確保できなかったのかもしれないが、細かい程度はわからずともタイミングの遅れや勢いは見極め可能だったのではないか。

なお、A2の副審の旗が上がっており、審判団の当初判定はユーリ・ララのオフサイドだったと思われる。インカムで副審からPossible Offsideの声はかかっていたはずで、言葉を選ばずに言えば「気を取られた」可能性はある。

鹿島 vs 柏

(主審: 木村博之 VAR: 岡部拓人)

82分、レイソルの中川のシュートがアントラーズの樋口の右手に当たりハンドでPK。シュートブロックの場面で、顔をそむけてブロックに入ったところで、自然と広がった腕にボールがヒット。シュートに対して腕が広がってバリアが大きくなっている以上はハンドを採らざるを得ない。

新潟 vs 広島

(主審: 今村義朗 VAR: 御厨隆文)

81分、サンフレッチェがボール奪取から一気に前進し、中村草太が反転して抜け出そうとしたところを、千葉が潰してファウル。今村主審はイエローカードを提示し、VARも判定をフォローした。

DOGSO(決定機阻止)の可能性もあったが、ゴールとの距離が遠く、かつセンターサークル付近で新潟DF(船木)のカバーもぎりぎり間に合うか…というところ。完全な決定機というには微妙な要素がいくつかあるので、SPA(チャンス阻止)で警告というジャッジは妥当なところだろう。

湘南 vs C大阪

(主審: 大橋侑祐 VAR: 木村博之)

87分、ベルマーレの石橋がセレッソの中村拓海に倒されてPK。キレのあるドリブルで仕掛け、切り返したところで逆をとられた中村が出した足に引っ掛かり転倒。典型的なトリッピングであり、大橋主審としてはしっかり走ってポジションをとった時点で任務完了。見極めとPKジャッジは「Easy Decision」だった。



本記事は参考情報として提供しており、内容の正確性・最新性について保証するものではありません。

Jリーグマニアを始めよう!
未登録でも記事投稿できます

アカウントがなくても、思いついた内容を すぐに記事として投稿できます。

いま話題になっている記事や、参考になりやすい内容をまとめてチェックしてみる