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ラシュフォード躍動。主力の疲労は最小限。イングランドはこのうえない形で勝ち抜け。(カタールW杯)

カタールW杯グループステージ第3節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee topics

マテウラオス主審、無意味に

ペナルティエリア内に侵入。笑

イラン vs アメリカ

(Referee: Antonio Mateu Lahoz VAR: Juan Martínez Munuera)

後半アディショナルタイム、エリア内に飛び込んだタレミの肩にカーター・ヴィッカースの腕がかかるもノーファウルのジャッジ。確かに腕は肩に触れているが、そこまでの強度ではなくノーファウルという判断は受け入れられる範疇だろう。

このシーンではファウルか否かよりも、イランの選手がファウルをアピールする中で、ペナルティエリア内に侵入したうえで悠然とノーファウルのジェスチャーを示すマテウラオス主審の姿が印象的であった。エリア内に侵入したときには既にボールはクリアされており、エリア内に侵入する理由はほとんどなかったはずだが…。イランが猛攻を仕掛ける最終盤の展開に際し、一人のサッカーファンとして興奮を抑えられなかったのだろうか。笑

オランダ vs カタール

(Referee: Bakary Gassama VAR: Redouane Jiyed)

後半23分、オランダのゴールシーンにVARが介入。ガザマ主審はOFR(オン・フィールド・レビュー)の末にガクポのハンドを採りゴールを取り消した。映像を見ればあまり迷うことなく判定を下せるシーンだろう。

ガザマ主審としては、中央寄りのポジションで「散歩」していたため、カタールの選手とハンドの事象が重なってしまい見極めきれず。中盤でのパス回しであってもポジションをこまめに修正して視野を確保することが必要…というのを痛感するシーンであった。

試合全体を通してスプリントの回数の少なさが目立ったガザマ主審。よりインテンシティの高い試合になると厳しいか。大きなミスジャッジこそなかったが、決勝トーナメントでの割当に向けてはあまりよいパフォーマンスではなかった。

ウェールズ vs イングランド

(Referee: Slavko Vinčić VAR: Marco Fritz)

後半16分のヘンダーソンに対するラムジーのタックルは遅れる形で足首に足裏が入っていたが、イエローカード。ボールから明確に遅れた点もふまえるとレッドカードでもおかしくないシーンではあったが、足裏が高く上がったわけではなかった点は情状酌量の余地があり、警告で留めたヴィンチッチ主審の判定も受け入れられる。よってVARは介入しえないし、もし逆にレッドカードが提示されたとしても介入はなかっただろう。

オランダvsカタールのガザマ主審の振る舞いとは好対照に、終盤までよく走り、常にポジショニングを修正し続ける姿が印象的であった。43歳という年齢は審判員としては中堅からベテランに差し掛かっているが、今季のチャンピオンズリーグで発揮してきた走力を見せつけた。選手とのコミュニケーションも良好で、決勝トーナメントでも重要な試合の割当をもらえそうな出来だった。

エクアドル vs セネガル

(Referee: Clément Turpin VAR: Jerome Brisard)

前半42分、裏に抜け出したイスマイラ・サールが倒されてPK。結果的にはサールのほうが勢い余ってぶつかるような形にはなっているが、インカピエが進路に対して足を出したのは確かで、ボールに触れていない以上はファウルとなるのはやむを得ない。

状況としてはDOGSO(決定機阻止)に思える。ラストタッチがやや流れたとはいえ、スピードのあるサールであれば次のタイミングでシュートを打てたはずで、他のエクアドルDFよりも前に出ているので、DOGSOの要件は満たすように見えた。ボールに対してプレーした結果のファウルではあるので、懲戒罰は一段階下がってイエローカードとするのが妥当に思える。

しかし、トゥルパン主審はカードを提示しなかったので、おそらくDOGSOではなくSPA(チャンス阻止)という判断なのだろう。DOGSOの要件を満たしていないとすれば、最後のボールコントロールが体からやや離れたという点を考慮したのかもしれない。個人的にはDOGSOだと思うが、SPAという判断も理解できなくはない。いずれにせよファウルであることは明白だ。

各試合の講評

フォーデン、ラシュフォード躍動。

ウォーカー復活。地力の差は歴然。

ウェールズ vs イングランド

ウェールズはムーアがスタメンで、黄金世代のベイル・ラムジー・アレンがそろい踏みとなった。ムーアが前線で起点となり、ジェームズを含めた中盤の選手が前向きにプレー…という狙いが感じられる。勝利が必要な大一番で、頼れる黄金世代の経験値に託したという印象だ。

一方のイングランドは、引き分け以上が求められる試合で、後方とセンターラインは手堅い起用となったのに対し、前線は出番が少なかったフォーデンとラシュフォードを先発起用。そのほか、フル稼働のベリンガムを一列前で使って守備の負担を減らしつつ、アメリカ戦でトリッピアーが精彩を欠いた右サイドバックには負傷明けのウォーカーを起用。主力を休ませつつ、底上げや活性化を図りつつ…という点で、非常に理に適ったスタメン選択であった。

前半はウェールズの守備ブロックがなかなか崩れず苦労したものの、ボールを失った際にはフレッシュな面々が強度の高いプレッシングを行い、ウェールズにカウンターの起点を作らせず。ラシュフォードやフォーデンだけでなくボランチに入ったヘンダーソンも加わってのプレッシングの強度と精度は、ウェールズ守備陣のビルドアップスキルを大きく上回った。

イングランドは後半開始早々にフリーキックで先制すると、敵陣深くでのボール奪取からの鮮やかなショートカウンターで加点。ペイジ監督はハーフタイムにベイルを下げてスピードに優れたジョンソンを投入する大きな決断を下したものの、イングランドのしたたかな2ゴールで出鼻をくじかれた。月並ではあるが「地力の差」を見せつけられた印象だ。

イングランドとしては、左サイドにポジションを移したフォーデンの個人突破が光ったが、前半の出来を見てラシュフォードと左右を入れ替えたサウスゲイト監督の采配も称賛に値する。ラシュフォードも先発フル出場で攻守に積極性が見られており、心身ともに充実しているようすだ。今節はおやすみとなったスターリングとマウント、サカを含め、前線はよい競争が生まれつつある。

もともと保守的な戦い方に長けたサウスゲイト監督にとって「引き分けでもOK」という試合はまさに「お得意様」だったかもしれない。失点のリスクを抑えつつ効率的に加点し、試合の流れを引き寄せたうえで稼働が多い主力(ケイン、ライス、ショー)を交代。前回大会やEURO2020は主力の蓄積疲労も課題だったが、今大会はこのうえない形で決勝トーナメントに駒を進めた。



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