守備に長けたアンカーと攻撃の積極性。リヴァプールに必要な2つのピース。(プレミアリーグ第18節)
イングランドプレミアリーグ第18節。序盤戦は取りこぼしが目立ったリヴァプールとレスターの一戦を講評する。
リヴァプール vs レスター
<Referee Topics>
いつもどおりの細かい見逃し。
落ち着きは出てきたが。
Referee:
クレイグ・ポーソン
Assistant referees:
マーク・ペリー
スコット・レジャー
Video Assistant:
ポール・ティアニー
18分、エリオットが倒れたシーンはリプレイ映像で見ると接触はない(もしくはあったとしても軽微)ように見える。トーマスの反応からしても、エリオットが「跳んだ」のだろう。ポーソン主審は見極めきれず…だったが、私も初見だとファウルだと思ったので判断は非常に難しかった。しいて言えば、もう少し争点に近づけていれば、見えるものは違ったかもしれない。
26分にはサラーがゴールネットを揺らすも、チェンバレンがオフサイド。レジャー副審は即座にフラッグを上げたが、オフサイドディレイの考え方からするとフラッグアップは待つべきだったかもしれない。フラッグアップののちもプレーを続けさせ、ボールがゴールに入った時点で笛を吹いたポーソン主審の判断は妥当だった。
34分には、エリオットとバーンズが交錯し、エリオットが傷んだ。足を振ったバーンズの足裏がエリオットの脛あたりにヒットしており、強度はそこまでではないものの、警告には値したのではないかと思う。
67分にはこの試合初めての警告をスマレに提示。ボールに対してのチャレンジではあったが、結局はボールに触れずにチアゴに足裏がヒットしていた。当然、ラフプレーでイエローカードの対象だ。
71分にはクロスの競り合いの中でトーマスの腕にボールが当たるもノーファウル。腕に当たったのは確かだが、マティプと競り合う中でバランスを崩したために必要な腕の動きであり、不自然ではない。ノーハンドでよかろう。
ポーソン主審は接触の詳細の見極めが甘い傾向があるが、それは今節でも変わらず…であった。自陣なさげな振る舞いは減ったので「威厳」は出てきたが、細かい見極めがイマイチ…という点は彼の積年の課題だ。
試合の講評
あああ
レスターは引き続きダカを1トップ起用。
リヴァプールはファビーニョが欠場となり、ヘンダーソンがアンカーに。左ウィングは引き続きチェンバレンが務める。センターバックはコナテがワールドカップ後の休暇を終えて合流したものの、マティプが先発継続となった。
一方のレスターは、システムを4-2-3-1に固定し、1トップは引き続きダカを起用。脆さも見えるアマーティ&ファエスのコンビを継続せざるを得ず、最終ラインの強度には不安を抱えつつ…の試合となった。
ファビーニョ不在で中央守備には脆さあり。
試合は前半早々に動き、レスターがドゥーズ・バリー・ホールのゴールであっさりと先制。マティプやファン・ダイクを前に引き出したうえで、ワンタッチパスで2列目からドゥーズ・バリー・ホールが中央突破に成功した。
先制点のシーンではファビーニョの不在の影響が感じられた。リヴァプールの両センターバックは前に出ての守備を得意とするうえに、両サイドバックも高いポジションをとることが多い。それにより生まれたギャップを埋めていたのがアンカーのファビーニョなのだが、失点シーンではヘンダーソンがカバーしきれなかった。
アンカー人材として、エンディディはリヴァプールの有力な補強候補になりえる。
前志向が強いリヴァプールにおいて、アンカーの守備タスクの重要性は極めて高い。今節では、チアゴがMVP級の守備対応を見せていたものの、ヘンダーソンがドゥーズ・バリー・ホールの前進を止められないことが多く、失点シーンはその最たる例であった。
下部組織出身のモートンはまだまだ線が細く、どちらかといえばパスなどに強みがあるタイプ。ここは若手~中堅のアンカータイプを補強したいところだ。理想はデクラン・ライスだが超人気銘柄であり、現実的にはブライトンのカイセド、リーズのアダムズ、レスターのエンディディあたりが狙い目かもしれない。エンディディに関してはレスターが財政難であるため交渉難度は高くないうえに、センターバックもこなせるので有用性が高いように思われる。
仕掛けが少ないリヴァプールの攻撃は停滞気味に。
リヴァプールの攻撃面に目を移すと、サイドでの攻撃に手詰まり感があった印象だ。個人がドリブルで仕掛ける場面はほとんどなく、サイドバックのクロスしか攻め手がなかったため、攻撃はかなり単調になっていた。
チェンバレンはパンチ力のあるシュートは持っているものの、ドリブル突破という点では物足りなさが残るし、もともとはドリブラーだったはずのエリオットは、インサイドハーフを務めるうちに安全なプレー選択が目立つようになり仕掛ける頻度が減った印象だ。
「無難」になったエリオット。積極性を取り戻したい。
ドリブラーという点では、ジョタとルイス・ディアスの復帰が待たれるが、本格的な復帰はまだ先になりそうだ。冬の新戦力となったガクポは、個人でガンガン打開するというよりは、周りとの連携で輝くタイプなので、本領発揮には時間がかかる可能性も少なくない。
となると期待がかかるのはファビオ・カルバーニョか。まだ遠慮がちなプレーも多いが、高いテクニックを活かしたドリブルはリヴァプールの突破口になりうる。また、「無難な」プレーが目立つエリオットには、より積極的なプレーを促すという意識改革もアリかもしれない。
プレー強度の低下をカバーする戦術がないロジャース。
一方のレスターは、幸先よく先制するなど、序盤の入りは抜群であった。前線からプレッシングを行い、ボールを奪ったら縦に速く攻めるという意識をチームとして共有できていた。先制シーンは縦への意識の高さが生んだものであり、戦術的な狙いがまさしくハマった形であった。
しかし、前半の中盤以降はチーム全体がずるずると後退。前線からのプレッシング強度が落ちる中でサイドが徐々に空き始め、立て続けに2失点で逆転を許した。ロジャース監督のチームにありがちな傾向ではあるが、プレー強度が高いうちはよいものの、プレー強度が下がった時間帯に戦術を柔軟に変更できず劣勢に…という試合は非常に多い。
失点シーンはいずれも不運なオウンゴールではあったが、1点目はサイドでの寄せが甘く、アレキサンダー・アーノルドはほぼノープレスでクロスをあげていた。2点目もラインを押し上げた中でチャレンジ&カバーの意識が甘く、爆発的なスピードをもったヌニェスと「かけっこ」になった時点で勝負あり。最終的には「不運」だったが、その前段階でのミスは見逃せない。
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