「中東の笛」が褒め言葉にならんことを。31歳アルルアイレ主審が見せた可能性。(J1第33節)
J1リーグ第33節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。
審判Topics
31歳のアルルアイレ主審の可能性。47歳の今村主審の落ち着き。
G大阪 vs 札幌
(主審: アブドゥルハディ・アルルアイレ VAR: 西村雄一)
交流プログラムで来日中のカタール出身アルルアイレ(Abdulhadi Al-Ruaile)主審が担当。日本では最後の試合担当となった。
90+1分、宇佐美のクロスにダワンが合わせるも、シュートには至らず。ここでVARが介入し、主審がOFR(オン・フィールド・レビュー)をおこなった結果、クロスが大崎の腕に当たっていたことを確認し、PKを与えた。
肉眼では腕に当たったかどうか判別不可能なレベルだが、映像でループ再生もしくはコマを多くしたスロー再生で見ればボールの軌道の変化が確認できたのだろう。(でなければ介入はしない)
大崎の腕は競り合ううえでは不要なものであり、味方へのコーチングのために広げたように思われる。腕が広がる正当性(自然さ)はなく、腕に当たればハンドを採らざるを得ない場面であった。
今節で日本を離れることになったアルルアイレ主審だが、Jリーグ担当として見せたレフェリングは非常にレベルが高く、先んじて来日したダレン・イングランド主審にも引けを取らないものであった。
日本では「中東の笛」という表現がネガティブな意味合いで使われて久しいが、若くしてワールドカップの大舞台を踏んだアブドゥルラフマン・アルジャシム主審(カタール)や、ワールドカップに二度出場した実績を持つナワフ・シュクララ主審(バーレーン)など、中東でも国際的な評価を受けた審判員は少なくない。
アルルアイレ主審は2021年に国際審判員となったばかりで、弱冠31歳。「中東の笛」がポジティブな褒め言葉になる日も遠くないかもしれない。
町田 vs 川崎F
(主審: 今村義朗 VAR: 川俣秀)
48分、スルーパスに抜け出したエリソンが谷と接触して転倒。今村主
審は谷のファウルでPKとジャッジ。際どいタイミングではあったが、リプレイ映像で見ると先にボールに触れたのはエリソンで、谷はエリソンに接触したあとにボールに到達している。エリソンが接触後に両足を揃えて倒れたのはシミュレーションっぽく印象はよくないが、今回の接触の是非という点では、ボールに先に触ったかどうかが判断ポイントなので、谷のファウルを採った今村主審の判断は妥当だろう。
エリソンの利き足が左であることを考慮しても、最後のボールタッチはゴールから外れる方向であり、守備側競技者のカバーも多い。決定機というよりは大きなチャンスと捉えるほうが自然であり、DOGSOではなくSPAと判断し、ペナルティエリア内でのボールに対するチャレンジなので、懲戒罰は一段階下がってノーカード…という判断も適切だと思う。
今村主審はスプリントして距離を詰めつつ、中央寄りに角度を作って串刺しにならないように見極めた。個人的にはタッチライン寄りに膨らんだほうが見極めやすいようには思えたが、結果的に見極めに成功しているので、責めるよりは称えるべきだろう。判定後の落ち着いた振る舞いも含め、ベテランらしく経験値の高さが光ったレフェリングだった。
京都 vs 神戸
(主審: 岡部拓人 VAR: 西村雄一)
50分、裏に抜け出した原が山川と接触。そのままシュートに持ち込んだものの、大きくバランスを崩した状態でゴールを捉えることはできず。ファウルを主張したがノーファウル判定となった。
抜け出す段階で山川と接触しており、やや手がかかった(ホールディング)にも見える場面。とはいえ、基本的にはショルダーチャージに近い形であり、最終的に手が出ている印象はあるが、露骨なプッシングではないのでファウルは採りにくいだろう。
少なくともノーファウル判定を「明白な間違い」とするだけの材料はないので、VARの介入は難しい。
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