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ブローダーセンの手は不自然な位置とは言えず、意図的でもない。(J1第21節)

J1リーグ第21節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

またしても難解事象に直面した

飯田惇平主審&木村博之VAR。

横浜FM vs 岡山

(主審: 飯田惇平 VAR: 木村博之)

32分、ロングフィードからマリノスのエウベルが裏に抜け出し、追いすがったファジアーノの立田、飛び出してきたGKブローダーセンと接触。結果的にボールはエウベルに当たってゴールからそれた。

飯田主審はノーファウルかつゴールキックと判定したが、VARが介入しOFR(オン・フィールド・レビュー)に。飯田主審は映像を確認したうえで改めてノーファウルとしたうえで、最後にブローダーセンに当たっていたということで、コーナーキックでの再開となった。

状況としては、以下の3つが考えられ、いずれの場合もファウルとするならDOGSO(決定機阻止)になる可能性がある。

立田の接触がファウルである可能性

ブローダーセンの接触がファウルである可能性

ブローダーセンのハンドの可能性

まず、立田はエウベルより先にボールに触れているので、1の可能性は薄い。もちろんリスクがあるチャレンジだったが、最終的にエウベルに接触はしているものの、ボールへのプレーが先であり、かつ足裏が入るなど危険な当たり方もしていない。これは不問でよかろう。

次に、ブローダーセンの接触についてもノーファウルで問題ないだろう。エウベルが勢いよく突っ込んできた形だが、エウベルの転倒はブローダーセンというよりは立田との絡みの結果だ。ブローダーセンが直前でキックモーションを止めたこともあり、「衝突」の度合いは最小限だった。

最後に3が最も際どい判断になる。VARとしても、OFRで見せた映像はブローダーセンの右手にボールが当たった瞬間のポイント・オブ・コンタクトだったので、3の可能性で介入したと思われる。

ブローダーセンの右手にボールが当たっていること、それがペナルティエリア外であることは映像で見れば確実なので、あとは「意図的かどうか、自然な位置かどうか」という点が判断ポイントになる。

飯田主審としては、衝突回避のためにとった体勢としては自然であること、至近距離からの跳ね返りであり予測が困難であることなどを考慮し、ノーハンドにしたと考えられる。また、ブローダーセンのプレー選択はブロックではなくキックであるように見える点も、ハンド判定から遠ざかった要素の一つだろう。

ゴールキーパーがエリア外において手でボールに触れた場合、ハンドを採られてDOGSOになるパターンも多いが、「腕に当たった=ハンド」というわけでないのは、フィールドプレーヤーもGKも同じだ。

飯田主審の当初判定はゴールキックなので、ボールがブローダーセンの手に当たったのはおそらく確認できていない。それは「重大な事象の見逃し」に当たるし、状況としてDOGSOの可能性があるので、VARが介入した判断は適切だ。

一方で、映像を見たうえでノーハンドとした飯田主審の判断も一定の妥当性がある。何かとややこしい事象に直面しがちな飯田主審だが、審判団そして両チームとしっかりコミュニケーションをとって進める彼のスタイルは、このような場面で最も活きる。(ちなみに昨年の「ややこしい」事象も木村博之VARとの組み合わせだった)

マリノスが1点ビハインドという試合スコアに加え、マリノスの直近のチーム状況をふまえると、特にマリノスサイドから抗議・不満表明が強まる可能性はあったが、丁寧な判定プロセスと説明でしっかりと場を収めた。(収まりがつかないサポーターはいたようだが…)

G大阪 vs FC東京

(主審:

ロバート・ジョーンズ

副審: 渡辺康太、堀越雅弘 第4審: 山下良美 VAR: 谷本涼、淺田武士)

バリバリのプレミアリーグ現役主審が審判交流プログラムで来日。ロバート・ジョーンズ(Robert Jones)主審は1987年生まれの38歳。2019年からプレミアリーグを担当しており、24-25シーズンも22試合を担当。FAカップ決勝などの経験はなく、トップofトップには至っていないが、リーグ最終節ではトッテナム vs ブライトンの好カードを担当するなど、期待がかかっている存在ではある。

今節では、50分にFC東京にPKを与えたところがハイライト。毅然とした態度で落ち着いて判定を下したが、あまりにも冷静に進めすぎて観衆を含めてジャッジを下したことがあまり伝わらなかった印象もある。

クリアを試みたもののアフターで足を蹴っているのでファウルであることは明白で、判定自体は正しい。プレミア担当時にも課題の一つだが、ポジショニングがやや遠めかつジャッジのメリハリがあまりない(悠然と構えている…といえば聞こえはよいが)という点は中堅の彼が飛躍するための課題かもしれない。

町田 vs 鹿島

(主審: 山本雄大 VAR: 池内明彦)

84分、アントラーズの鈴木優磨がゼルビアの菊池にエリア内で倒されてPK。細かくボールに触れながら、相手が足を出してきたところで大きくボールを出して、トリッピングを誘った形。両足を揃えて「跳んだ」感はあるが、接触は確実にあり、ファウルでPKは妥当なジャッジだろう。

C大阪 vs 東京V

(主審: 上村篤史 VAR: 御厨隆文)

62分、セレッソのラファエル・ハットンが抜け出し、ヴェルディGKのマテウスと接触するも笛は鳴らず。そのままプレーが続き、最終的にはチアゴ・アンドラーデのゴールにつながった。

マテウスとハットンの接触はファウルにも見えがちだが、マテウスが先にボールに触れており、ノーファウルが妥当。上村主審は縦に加速した攻撃に対し最短距離で付いていき、ベストポジションで接触を見極めた。試合を通じて的確なポジショニングとそれに基づく冷静な判断が際立っていた。上村主審は確実にレベルアップを続けている。



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