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エムバペ無双の陰にグリーズマンあり。世界最高の黒子が組み立てと守備で大貢献。(カタールW杯)

カタールW杯決勝トーナメント1回戦。フランス vs ポーランドの一戦を講評する。

フランス vs ポーランド

<Referee Topics>

走力は高かったが

疑問が残る判定も散見。

Referee:

Jesús Valenzuela (Venezuela)

Assistant referees:

Jorge Urrego (Venezuela)

Tulio Moreno (Venezuela)

Video Assistant:

Juan Soto (Venezuela)

試合の講評

エムバペ・デンベレという抑止力。

その陰に世界最高の黒子、グリーズマン。

ビルドアップの脱出口となったグリーズマン。

フランスのスタメンはグループステージ第2戦と全く同じ。突破を既に決めていたチュニジア戦はチュアメニ以外はほぼ総入れ替えだったので、この11人がデシャン監督が考えるベストメンバーと言えよう。

序盤からフランスペースで試合は進んだ。ポーランドは想定よりも前からプレッシャーをかけてショートカウンターを狙ったが、フランスの最終ラインは揃って足元のレベルが高く、無闇にロングボールを蹴ることなく着実な繋ぎを見せた。

組み立ての局面で効いていたのはグリーズマンだ。ポーランドが中盤を厚くした4-1-4-1気味で構えたため、最終ラインがボールを持った際にチュアメニやラビオは消されていることも多かったが、グリーズマンがやや引き気味のポジションでボールを引き取りプレスを回避するシーンが目立った。フランス代表でのグリーズマンの重要性はゴール前の崩しよりもビルドアップの脱出口になれるという点にある。

ポーランドとしては、グリーズマンにはクリホヴィアクあたりがマンツーマン気味に付いてもよかったかもしれない。また前線でのプレスという点では、最終ラインの4枚の中では足元の技術がやや劣るヴァランにボールを集めさせるようなプレッシングは有効だったはず。せっかく追い込んでもクンデやテオに巧みに打開されることが多かったのはもったいなかった。

エムバペとデンベレの攻め残りは、ポーランド守備陣に対する「抑止力」に。

フランスが誇る最大の武器である両ウィングの存在感はこの試合も絶大であった。圧巻の2ゴールを決めたエムバペは立ち上がりから左サイドを「制圧」しており、逆サイドのデンベレは突破こそ少なかったが巧みなボールキープでタメを作っていた。

この二人の恐ろしさはボール非保持の局面でも発揮される。彼ら二人は(特にエムバペ)は敵陣でのプレスには参加するものの、自陣まで下がって守備をすることは少ない。しかし、カウンターの局面で圧倒的なスピードを持つ彼らは前線にいるだけで十分「抑止力」になる。

もちろん勇気をもって前に出れば数的優位を作れる可能性もある。しかし、特にエムバペは序盤に立て続けに2回のドリブル突破を見せており、「先制パンチ」を食らった右サイドバックのキャッシュは攻め上がりを自重したようには思えた(幾度か攻め上がったシーンでは代わりにカミンスキが下がってエムバペを監視していた)。

守備でも絶大な貢献度。インテリジェンスが高いグリーズマンだからこその状況判断。

また、フランスで見逃せないのは、ボランチのチュアメニやラビオに加え、グリーズマンの守備参加だ。ジルーと横並びになって相手のセンターバックに迫ることもあるが、多くの場面では自陣まで下がり2ボランチ(チュアメニとラビオ)とともに相手の攻撃の起点を囲い込んでいた。このあたりの的確な状況判断はインテリジェンスの高いグリーズマンだからこそ成せる業だ。

ポーランドにとって最悪なのはサイドバックが攻め上がった状態でボールを失うことなので、起点が不安定になればサイドバックは攻撃参加を躊躇せざるを得ない。起点が作れないので攻め上がれず、攻め上がりがないので起点が作れない…という悪循環に陥っていた。

ポーランドは前半終盤の消極性がもったいなかった。

とはいえフランスは前半の中盤以降にややプレー強度を落とすのも「いつもどおり」であり、前線でのプレス強度が落ちたことでポーランドはボールを保持できるようになった。その時間帯には38分のジエリンスキのシュートのような決定機も作れていた。特にフランコフスキは独特のテンポのドリブルで対峙するクンデを幾度か突破しており、崩しの切り札になっていた。

ポーランドとしては前半の終盤にやや消極的になったのがもったいなかった。0-0の時間が長くなる中で「前半は無失点で切り抜ければOK」という意識が感じられ、チーム全体の重心がやや下がってしまった。最後の局面はエムバペとジルーの連携と技術の高さが光ったが、その前にバイタルエリアまでほぼノープレスで侵入されてしまったのが痛恨だった。



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