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10試合中6試合でOFR(オン・フィールド・レビュー)。際どいオフサイドが続発。(J1第30節)

J1リーグ第30節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

映像で見れば明らかにDOGSO。

ただノーマルスピードだと

「残像」により判断は難しい。

広島 vs 神戸

(主審: 荒木友輔 VAR: 上村篤史)

54分、サンフレッチェの佐々木が大迫に手をかけて前進を阻止。当初はイエローカードだったが、VARが介入し、レッドカードにジャッジ変更となった。

ファウルであることは佐々木本人も異論の余地はないはずで、最低でもイエローカードは覚悟のうえの行為だろう。判断ポイントは、DOGSO(決定機阻止)なのかSPA(チャンス阻止)なのかという点だけだ。

DOGSO要件に照らすと、初見の印象としてはサンフレッチェの荒木のカバーが間に合っており、「守備側競技者の位置と数」が不十分であるように感じた。荒木主審の当初判定(イエローカード)もおそらく「カバーが間に合った」という判断だったと思われる。

ただ、リプレイ映像で見ると、大迫が抜け出し、佐々木が手をかけて止めた時点では、荒木の位置は大迫よりもゴールに遠く、ファウルがなければ大迫がそのままシュートに持ち込めた可能性は高い。VARの介入、OFRを経てのレッドカード判定は妥当だろう。

サンフレッチェがこぼれ球を拾っており、大きくクリアして陣地挽回の可能性もある場面。バックパスがずれてヴィッセルの攻撃へ…という展開は、逆を突かれやすい「審判泣かせ」の事象だった。

また、ファウルが起こった瞬間で止めて見れば明白に思えるが、ノーマルスピードで見ると、大迫が倒れていく間にも守備側競技者の戻りは進んでいく。実際よりも守備側競技者が間に合っていたように感じるのは、人間の視覚認識(残像)としてやむを得ない部分がある。荒木主審の当初判定をミスと断じるのは酷だ。

名古屋 vs 湘南

(主審: モハメド・アハメド・E・E・モハメド VAR: 高崎航地)

9分、ベルマーレの奥埜からグランパスの山岸がボールを奪い、カウンターから永井がゴールネットを揺らすも、VARが介入。OFRの末に、山岸のファウルを採ってゴール取り消しとなった。

ボール奪取の場面では、奥埜の背後から山岸がボールをつついて奪ったように見えたが、リプレイ映像で見ると、山岸はボールに触れていない。ボールと奥埜の間に山岸が足を置き、そこに躓くような形で奥埜がバランスを崩している。

山岸がボールに先に触れていればノーファウルの可能性が高いし、足だけでなく下半身がしっかり入っていれば、正当なチャージとみなせるかもしれない。ただ、足だけをねじ込んだ形だと、残念ながらトリッピングを採るのが妥当だろう。

主審としては、不意なボール奪取だったこともあり、ポジションがやや遠め。そのあとのカウンターにはスプリントをかけて追走したが、その前のトランジションの場面ではやや「出遅れ」たように感じた。

なお、後半に2分間で2枚のイエローカードをもらって退場処分となった山岸に関しては、いずれもイエローカード妥当だろう。54分は奥埜に対するアフターチャージ、56分はヘディングの場面で振った腕が相手の顔付近に当たっている。ラフプレーの要件を十分に満たす強度の接触だろう。

カタールから来日しているモハメド・アハメド・E・E・モハメド(MOHAMED Mohamed Ahmed E E)主審は、1997年生まれの28歳。弱冠24歳で国際主審登録されており、アジア地域の主審としてかなり期待されているようだ。

京都 vs 清水

(主審: 長峯滉希 VAR: 清水勇人)

7分、エスパルスの高橋がクロスに飛び込んだところでサンガの佐藤響と交錯。当初はノーファウルだったがVARが介入し、OFRの末にPK判定となった。

初見では、ブロックに入った中でもつれ合った…という印象だったが、リプレイ映像で見ると、佐藤の足は高橋に向いており、ブロックというよりは後方からの接触と捉えたほうが適切だろう。

そうなるとボールを触ることができていない以上、タックルの正当性は見出しにくい。VAR介入は正しいし、ファウル判定は妥当だ。とはいえ、長峯主審にとっては、主審の位置からはどう頑張っても見づらい角度の事象であり、接触の程度を見極めるのはかなり難しい。

川崎F vs FC東京

(主審: ファイサル・スライマン・A・アルバラウィ 副審: ファイサル・ナセル・R・アルカフタニ、イブラヒム・アブドゥラ・M・アルダヒル VAR: 谷本涼)

90+3分、左サイドからのクロスのこぼれ球をフロンターレの脇坂が押し込むもVARが介入。OFRの末にウレモヴィッチのオフサイドを採ってゴール取り消しとなった。

ウレモヴィッチの位置はかなり際どいがオフサイドポジション。A2のアルダヒル副審にとって、そもそもこのラインジャッジがかなり際どくタイトだ。

そのうえで、ウレモヴィッチはクリアを試みたショルツに接触しており、「相手競技者に影響を与える」に該当する。こちらの判定は映像を見れば明らかだが、主観的な判断になるのでOFRとなった。

C大阪 vs 柏

(主審: 御厨隆文 副審: 大川直也、船橋昭次 VAR: 中井敏博)

62分、レイソルの小泉のミドルシュートがゴールに突き刺さるもVARが介入。OFRの末、原田のオフサイドを採ってゴール取り消しとなった。

原田の立ち位置がオフサイドポジションであるのは明白であり、A1の大川副審も認識していたはず。判断のポイントになるのは、彼がセレッソGK福井のプレーに影響を与えたかどうかだ。

まず、小泉がシュートを打つ瞬間の映像を確認すると、原田の立ち位置は福井の視線上であり、ボールを隠す位置に見える。なおかつ、小泉のシュートは原田のすぐそばを通過しており、原田のアクションがボールに向けたものでないとしても、GKのプレーに影響を与えたと捉えるのが妥当だろう。

結論として、オフサイドを採るのが妥当だ。映像を見た審判員のほとんどは同様の見解に辿り着きそうだが、ノーマルスピードだとなかなか難しい。御厨主審はシュート時点でしっかり回り込んでシュートコース(ハンドの可能性も考えられるシーンだ)を見にいったが、あと一歩間に合わず…といった印象だ。

町田 vs G大阪

(主審: イヴァン・バートン VAR: 飯田淳平)

87分、ゼルビアのコーナーキックの場面で、ファーサイドの菊池がヘディングで折り返すもガンバGKの一森がキャッチ。ここで笛が鳴り、黒川の菊池へのホールディングを採ってPK判定となった。

黒川が菊池のユニフォームを引っ張っているのは明らか。ヘディングの間際に離しているものの、引っ張られた影響で、菊池の体勢が崩れて強いヘディングができなかったのは確かだろう。バートン主審は最適なポジションで冷静に見極めた。



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