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池内明彦主審の勇気。食野が誘ったとはいえ、扇原のプレーはトリッピングに見えたが…(J1第36節)

J1リーグ第36節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

ノーゴール判定→OFR→ノーゴール判定

鹿島 vs 横浜FC

(主審: 福島孝一郎 副審: 渡辺康太、坂本晋悟 VAR: 小屋幸栄)

90+2分、鈴木優磨と福森が競り合い、こぼれ球を徳田が押し込むも、A1の渡辺康太副審の旗が上がってオフサイドでゴールは認めず。ここでVARが介入し、福島主審がOFR(オン・フィールド・レビュー)を行った結果、最終的にはチャヴリッチのファウルを採ってゴール取り消しとなった。

ノーゴール判定→OFR→ノーゴール判定となったので、一見するとややこしい判定だが、ゴール取り消しの理由が異なるのがポイントだ。当初判定はオフサイドだったが、リプレイ映像で見ると徳田の前のボールタッチは福森のように見えるので、オフサイドは成立しない。この時点で、いったんノーゴール判定の根拠が消える。(※)

しかし、リプレイ映像を見てみると、GKスウォヴィクをチャヴリッチが掴んでいることが確認できる。これは明らかなホールディングであり、スウォヴィクのシュートに対するポジショニングを妨げている以上はファウルを採るほかない。オフサイド判定に集中しがちな状況で事象を漏れなく拾った小屋幸栄VARの働きは称賛に値する。

※なお、福森の前に鈴木優磨がわずかでも触れていれば、福森は「ディフレクト」したボールを扱ったことになる。この場合は福森のボールタッチは意図的なプレーとみなされないので、鈴木優磨が触れた時点で徳田がオフサイドポジションなら、ラストタッチが福森であってもオフサイドが成立する。今回の場合、鈴木優磨のボールタッチが確認できないのでオフサイド不成立になったと考えられる。

G大阪 vs 神戸

(主審: 池内明彦 副審: 野村修、坊薗真琴 第4審: 上村篤史 VAR: 山本雄大)

74分、ガンバの食野の仕掛けに対しヴィッセルの扇原が接触し転倒。池内主審は当初ノーファウル判定で、VARレコメンドによるOFRを行ったものの、判定変わらずノーファウル判定のままとなった。

扇原の左足が食野の右足に接触しているのは間違いない。そこまで強さはないが、トリッピングには値する接触だと個人的には感じる。悩ましい要素があるとすれば、食野のリアクション。接触していない左足がやや「飛んだ」ように見える点、ボールタッチがゴールラインと平行の方向に流れておりファウルを「誘った」感がある点は、映像で見ると強く感じるところだ。

池内主審は結局3アングルの映像で確認をしていた。1つ目のゴール裏からの映像だと、トリッピングの部分が強調されて見えるのでファウル判定に傾きやすい。2つ目のメインスタンド側からの映像だと、左足が「とんだ」様子がよく見える。3つ目のバックスタンド側からの映像だと、ボールが進んだ方向・状況が見極めやすい。1つ目の映像だけだとPK確実にも思えるが、複数の角度から確認してみるとだんだんとノーファウル寄りに傾いていく。難しい判定であることは間違いない。

個人的には、ファウルを採るべきだったと考える。ファウルを誘った部分はあるとしても、トリッピングが食野の突破を阻んだことは確かであり、その事実は重いと考える。一方で、トリッピングだけに着目せず、事象を大きく捉えてノーファウル判定を下した池内主審の判断は、勇気があるものだったと感じる。個人的にはファウルだと思うが、池内主審の勇気ある判断も受け入れることはできる。

なお、この判定に不満をもった東口がベンチ前にあったボトルを蹴り飛ばし、レッドカードで一発退場となった。競技規則において、退場となる反則として「競技のフィールドに物を意図的に投げ入れる、またはけり込む。」が挙げられており、これに該当する行為だと考えられる。ここはOFRなしでの判定だったので、A1の副審もしくは第4審が確認していたのだろう。ガンバの選手交代もある中で、ベンチの動向を注意深く見ていた「隠れナイスジャッジ」だ。

東京V vs 福岡

(主審: 上村篤史 VAR: 大坪博和)

90+5分、アビスパのウェリントンのシュートはヴェルディの鈴木海音の腕に当たるもノーハンド。シュートブロックの場面だが、腕は広がっておらず、わずかに肘が出ている程度。腕を広げまいとする配慮もあり、実際の広がりも最小限なので、ノーハンド妥当だろう。

上村主審の角度だと手の広がりが確認できたとは思えないが、「大きく広がっていない」という判断であれば、VARとしてはフォローするほかない。



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