自動画像

一森と中村草太の接触は、偶発性&プレー続行の可能性をふまえるとノーファウル妥当。(J1第26節)

J1リーグ第26節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

2度のVAR介入。

藤澤達也副審の苦難の夜。

広島 vs G大阪

(主審: 御厨隆文 副審: 西橋勲、塚田智宏 VAR: 今村義朗)

開始早々の1分過ぎ、サンフレッチェのコーナーキックからゴール前でボールがこぼれたところでGK一森とFW中村草太が交錯。VAR介入によるOFR(オン・フィールド・レビュー)も行われたが、結局ファウルは採らず、ドロップボールでの再開となった。

まず、審判団の当初判定としては、A1の西橋副審の旗が上がっておりオフサイド。映像で確認してみると、中村草太は確かにオフサイドポジションだが、最後にボールに触れたのはガンバの中谷であり、その前のプレー時点では中村はオフサイドポジションではない。

中村がオフサイドではない場合、中村に対する一森のチャレンジがファウルではないか…という点が議論になる。ここはPossible Penaltyなので、VAR介入の対象になる。

ちなみに、もし、PKや退場の可能性があるプレーが発生していない場合には、中村草太のオフサイド判定はVARにより修正されない。映像を確認したうえでオフサイドではないことはわかるが、オフサイドの有無だけであればVAR介入の要件は満たさないので、VARは介入しない。

そのうえで、一森と中村の接触に関しては、かなり際どい。中村が先にボールに触っており、一森がボールに触れていないのは間違いない。ただ、一森はボールに対して飛び込んだ結果、その着地点に中村の右足があり、それを巻き込んだ…というような形だ。

個人的には、御厨主審のノーファウル判定に同意だ。一森がボールに向かってチャレンジした過程があり、その動作の不可抗力として着地がある中で、着地点がたまたま中村と重なったと捉えると、やむを得ない接触である。

もちろん、悪意や意図がなくても結果的に相手を倒した場合ファウルを採る可能性はあるが、今回の場合、中村はそのままプレーを続けられそうな体勢ではないと感じるので、その点でもノーファウル寄りの考えが濃くなってくる印象だ。

なお、オフサイドの有無のみではVAR介入要件を満たさないことは前述の通りだが、VARが適切に介入してOFRになり、その中で見つけた判定の誤りについては修正して試合を再開する…というのがVAR運用ルールである。(流れの中で見つけた誤りを正さずに再開する…というのは明らかに適切とは言えない)

今回の場合、オフサイドで間接フリーキック→オフサイドではない→ただ試合を止めただけという扱いになる→ドロップボールだ。今回はプレーが止まったのがペナルティーエリア内だったので、守備側チームのGKへのドロップボールでの再開となる。

次の状況でプレーが停止された場合、ボールは、ペナルティーエリア内で守備側チームのゴールキーパーにドロップされる。

・ボールがペナルティーエリア内にあった。または、

・ボールが最後に触れられたのがペナルティーエリア内であった。

サッカー競技規則2024/25 第8条 プレーの開始および再開 2. ドロップボール

60分、大迫敬介への危険なチャージで安部柊斗にレッドカード。勢いをもって飛び込んできており、トラップがやや流れたところで足を伸ばしたい気持ちはわかるが、GKの飛び出しは見えていたはずで安全への配慮が必要な場面。そこを無配慮で突っ込んで高く上がった足裏が大迫の右手のあたりにヒット…となると、レッドカードを免れることはできない。

湘南 vs FC東京

(主審: 高崎航地 VAR: 飯田惇平)

50分、野澤に対して舘が遅れ気味に突っ込んでファウルでPK。高崎主審はゴール前だったのでボールの行方を見ながらアドバンテージを模索したが、即シュートには至らなかったのをふまえ、PK判定となった。

野澤がドリブルを匂わせたところで、タイトに寄せようとした舘だったが、野澤がボールを放したところで止まりきれず。野澤に勢いそのまま「衝突」するような形となった。ファウル判定は妥当であり、見極めという点では高崎主審のポジショニングは角度的にほぼベストだった。

町田 vs C大阪

(主審: 笠原寛貴 副審: 梅田智起、藤澤達也 VAR: 清水勇人)

A2の藤澤達也副審にとっては厳しい夜となった。8分に望月がゴールネットを揺らしたシーンでは、その前に藤尾に縦パスが出た時点でオフサイド。こちらはかなり際どい見極めであり、責めるのは酷だ。

42分の林のゴールについては、守備側と攻撃側の入れ替わりの場面であり、映像で見るよりも肉眼での見極め難度は非常に高い。また、サイドに展開する選択肢もあった中でズバッと縦パスが入っており、展開の予測を立てていたとしても虚を突かれる感はある。

いずれも誤審と呼ぶには厳しいタイトな見極めだったが、1試合の2度のVAR介入を食らうという副審としては非常にダメージがある一戦となった。



本記事は参考情報として提供しており、内容の正確性・最新性について保証するものではありません。

Jリーグマニアを始めよう!
未登録でも記事投稿できます

アカウントがなくても、思いついた内容を すぐに記事として投稿できます。

いま話題になっている記事や、参考になりやすい内容をまとめてチェックしてみる