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苛立つピトゥカに必要だったのは、カードではなくコミュニケーションだったのでは?(J1第5節)

J1リーグ第5節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee Topics

プレミアリーグ現役主審が来日。

大柄ながら走力抜群。

G大阪 vs 札幌

(主審:トム・ブラモール)

イングランドとの審判交流プログラムで来日したトム・ブラモール氏が主審を担当。今季からプレミアリーグを担当する「Select Group 1」のリストに入っており、既にプレミアリーグでも主審デビューを果たしている現役バリバリの審判員だ。32歳と若いが、プレミアリーグでの数試合を見る限りは走力・ポジショニングともに平均以上であり、ここからの約2週間で「本場」の実力を日本で見せてくれることを期待したい。

※プレミアリーグで見たときにはそこまで感じなかったが、Jリーグの場で見るとかなり大柄(縦にも横にも)であるように見えた。。。

横浜FM vs 鹿島

(主審:谷本涼 VAR:小屋幸栄)

後半アディショナルタイムにピトゥカが2枚の警告を受けて退場処分に。1枚目はマテウスのラフプレー気味のタックルを受けたとはいえ、激しい口調で谷本主審にカードを求めており、異議によるイエローカードは当然の判定だ。

議論の余地があるのは2枚目の警告だろう。接触箇所としては肩に見えるので一見するとショルダーチャージ(=正当なチャージ)に思えるが、ヘディングをしようという動作ではなく、先に落下点に入った喜田に対して後ろから「ド突く」ような形となっている。強度としても必要以上の力を以てチャージしており、ファウルとなるのはやむを得ないという印象だ。

ただ、カードが必要か…という点は悩ましい。勢いが非常に強く喜田が鞭打ち気味になったことをふまえるとラフプレーという判断はありうるし、ピトゥカ本人としてもフラストレーションを溜めた状態で無茶なプレーに至った印象は強い。一方で、そんな彼に必要なのは懲戒罰ではなく、谷本主審との多少のコミュニケーション(ガス抜き)だったようにも思える。

個人的には2枚目の警告はなしで、「残り時間あと少しフェアにプレーしよう」という声かけをするのがよかったのではないか…という印象だ。(ピトゥカに日本語or英語が通じるのか…はわからないが、落ち着くように促すジェスチャーだけでも伝わるものはあったはずだ)

福岡 vs 湘南

(主審:池内明彦 VAR:中村太)

53分、中央への折り返しに走りこんだ町野に対する奈良のタックルがファウルと判定されいったんPKに。その後、その前のプレーでのオフサイドが確認されたため、VARのOR(オンリー・レビュー)によりPKは取り消しとなった。

オフサイドは「事実」なので議論の余地はないが、もしオフサイドがなかったとしてファウルかどうかは見解が分かれるところだろう。奈良としてはシュートブロックにいったという意図だろうが、結果的にはボールにチャレンジできず、町野がシュートを打った後に遅れて後ろからタックルする形になっている。相手ごと巻き込むようなシュートブロックが許容される場合もあるが、今回はボールに対して出遅れたのも印象が悪い。ファウルを採った池内主審の判定は一定の妥当性がある。

各試合の講評

試行錯誤が続く岩政監督。

新潟はペース配分が課題。

横浜FM vs 鹿島

マリノスは左右のサイドバックをこなす小池が不在で、代わって先発出場の松原が価値あるゴールを記録。一方で局面の守備では寄せきれない場面が見られるなど、評価は難しい出来であった。前節起用された上島も適性はやはりセンターバックで、前線や中盤に比べると層が薄めのサイドバックは泣き所になってくる可能性もある。

一方のアントラーズは、岩政監督がさまざまなシステムを試して最適解を模索中のようだ。今節は中盤の底で存在感を発揮していた佐野が出場停止ということもあってかトップ下で土居を先発起用したが、中盤の守備が空転する場面が目立った。特にボランチ2枚はアンカーの佐野ありきのポジションを自ずと取ってしまっており、複数システム併用の弊害のほうが目立った印象だ。

植田と昌子の帰還で最終ラインは固定化が進みそうで、あとは攻撃陣の最適解を見つけることが求められる。個人的にはフラットな4-4-2が最もシンプルかつ効果的に思えるが…。解説業時代の言動を見るに岩政監督は知識自体は豊富なので、あとは現場指揮官としてそれを活かせるか…という正念場を迎えている。

浦和 vs 新潟

久々のJ1で勇敢な戦いぶりを見せているアルビレックス。最大の特長は縦への推進力であり、狭い局面をショートパスで打開したあとは縦に一気に加速して攻め切る形は破壊力がある。ワイドに展開しながらも人数をかけて素早く攻め切った先制点のシーンはチームの戦い方を象徴している。

改善の余地があるのは前後半それぞれ終盤にガクッとインテンシティが落ちる点だろう。イングランドプレミアリーグのリーズなども同じような事象が見られるが、豊富な運動量を要するアグレッシブなスタイルの宿命として、体力的にきつい時間帯にコンパクトかつ粘り強く守り抜くことが求められる。

例えば、開始15分はフルスロットルで臨み、中盤はボールポゼッションを織り込んでゲームを落ち着かせる…などは目指したい展開だ。あるいは、相手にあえてボールを持たせて自陣でコンパクトに守り、ボールを奪ったらロングカウンターに出る…というのも一手だ。J2ほど主導権を握れない中で、どのように振る舞うか…という点は現実的に考えないと「グッドルーザー」としてJ2に逆戻り…という可能性も出てくる。



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