審判団に文句を言い続けるポポヴィッチ監督。戦術的指示に集中するのが身のためだ。(J1第32節)
J1リーグ第32節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。
審判Topics
ホイブラーテンは
ドクターストップすべき。
安全第一の脳震盪対応を。
湘南 vs 鹿島
(主審: 清水勇人 副審: 中野卓 第4審: 松澤慶和)
かねてより本ブログでポジショニングの課題を指摘している清水主審だが、この試合でも課題を露呈する場面が散見。象徴的だったのは、58分、選手と衝突して転倒…という珍しい出来事が起こった。
この場面は湘南のビルドアップ時だったが、センターサークル内でまさに縦パスが入る場所にポジションを取ってしまい、縦パスに対するスライディングに巻き込まれての転倒であった。この日のベルマーレの組み立てをふまえると、あの位置に縦パスが入ってくるのは容易に予測ができるので、適切なポジショニングとは言いがたい。中央寄りに「とりあえず」位置取るという悪癖は解消の兆しが見えない。
なお、この試合では鹿島のポポヴィッチ監督が試合を通して審判団に判定への異議を唱える場面が続いた。一つひとつの判定に対して、両手を広げて不満を示し、中野副審や松澤第4審に絡んでいる姿が見られた。特に、監督の場所だと角度が違いすぎて判別がほぼ不可能なオフサイド判定にも不満を示すなど、明らかに「やりすぎ」であった。
審判団に自らの意見を伝えつつ、コミュニケーションをとりながら試合を進めることは監督として必要なことだとは思うが、なんでもかんでも文句を言うのは度が過ぎている。また審判員も人間であり、判定一つひとつに「絡まれる」のは印象が悪く、オオカミ少年のごとく、正当な主張を受け入れにくくなる可能性もある。ポポヴィッチ監督はもう少し自制して戦術的な指示に集中したほうが、チームにとっても審判団にとっても幸せなのではないか。
神戸 vs 浦和
(主審: 飯田惇平 副審2: 西村幹也 VAR: 大坪博和)
28分、ヴィッセルが攻め込み、最後は大迫のシュートがバーを直撃。バーに当たってほぼ真下にボールが飛んだものの、ラインは越えておらずノーゴール。ここの見極めは西村副審の慧眼であった。
しかし、その後VARがハンドの可能性があるとして介入。飯田主審はOFRを行ったうえで、大迫がシュートを打つ前に、左サイドからのクロスがレッズの関根の手に当たったことを確認し、ハンドでPKとなった。
リプレイ映像で見れば、関根の広がった手に当たってボールの軌道が変わっているのは明らかで、ハンドを採らざるを得ないだろう。ただ、軌道の変わり方は肉眼で見ると僅かであり、飯田主審や西村副審の「見逃し」を責めるのは酷だろう。
81分には、エリア内でボレーシュートを試みた佐々木に対し、ホイブラーテンが頭でボールを先に触ると、ホイブラーテンの顔面に佐々木の左足がヒット。試合後の検査で右眼と鼻骨の骨折で全治4週間の重傷となった。
悪意はないにせよ、結果的に顔に足が入る危険なプレーとなっている。とはいえ、足を振り切ってはおらず、顔に当たりそうと認識した時点で足をやや引こうという意図も感じられるので、イエローカードという懲戒罰も妥当なところだろう。
なお、ホイブラーテンは治療後にいったんプレーを続けようとしたものの、すぐにピッチに座り込んで交代となった。おそらくめまいなどの脳震盪に近い症状が出たと考えられる。結果論ではあるが、今回の場合はプレー続行をドクターストップすべきであり、いったん治療を終了してプレーに戻そうとした判断は適切だったとはいいがたい。
脳震盪への対応に関しては、新潟vs京都戦でも二人の選手がプレーを一定時間続けたうえで脳震盪の疑いで交代…など、プレー続行判断が裏目に出るケースが散見される。試合に戻したい気持ちはわかるが、ベンチトレーナー陣には的確な状況把握と判断を求めたい。
名古屋 vs 磐田
(主審: 先立圭吾 VAR: 榎本一慶)
29分、ジュビロの植村が抜け出そうとしたところで、グランパスの椎橋がホールディングで阻止。先立主審は当初はPK判定を下したが、VARが介入しOR(オンリー・レビュー)によってファウルがエリア外であることが確認され、直接フリーキックに判定変更となった。
接触が起こった位置がエリア内かどうか…はいわゆる「ファクト」であり、主観の余地はない。よって、VARが映像を確認すれば十分なので、主審によるOFR(オン・フィールド・レビュー)ナシでの判定変更となった。
なお、前提として、「ライン上はペナルティエリア扱い」となる。今回の場合は、椎橋が手を離した地点がラインよりも外だったので、エリア外でのファウルという扱いになった。
川崎F vs 新潟
(主審: 中村太 VAR: 川俣秀)
11分、フロンターレのカウンターの場面で、ドリブルで持ち込んだマルシーニョがエリア内でアルビレックスのGK小島に倒されてPK。マルシーニョが「誘った」形ではあったが、接触があるのは間違いなく、ファウル相当のプレーだろう。接触はわずかではあったが、トップスピードの選手にとってはわずかな接触でもバランスが崩れるものだ。中村主審は接触の有無が見えやすい適切なポジションで接触を見極めた。
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