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町田のボールを濡らす行為は紳士的に非ず。「元に戻す」行為以外は認めるべからず。(J1第27節)

J1リーグ第27節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

濡れたボールはGK泣かせ。

高崎主審の交換指示は妥当。

町田 vs 磐田

(主審: 高崎航地 副審2: 坊薗真琴 VAR: 大坪博和)

29分、望月ヘンリーのシュートのこぼれ球をエリキが押し込んでゴール…と思われたが、いったんはハンドでゴール取り消しに。その後、VARが介入し、OFR(オン・フィールド・レビュー)の末にゴールが認められた。

DAZN映像を見ると、ゴールインの瞬間に坊薗副審はフラッグを上げ、その後にハーフウェーライン方向に駆け出している。このハーフウェーライン方向へのダッシュは副審としては「ゴール」を示すものであり、高崎主審もいったんはセンタースポットを指してゴールを認めたように思われる。

しかし、直後に再び笛が鳴り、DAZN映像では坊薗副審が右腕を示している映像を捉えている。おそらく坊薗副審の視点ではエリキの腕にボールが当たった後にゴールに押し込んだように見え、判定を変更してゴール取り消しの判断を下したと考えられる。

エリキは得点者なので、腕にボールが当たっていれば意図にかかわらず取消となるシーンだ。ただ、映像で見る限りは腕にボールは当たっていない。本来であれば「意図的かどうかは関係ない」ので「ファクト」として扱われOFRなしでも判定可能なシーンだが、JFAのVAR運用ルールでは、ハンドについてはOFRで確認して判定変更という形になっているため、OFRが行われた形だ。

副審側からみてエリキの腕に当たったように見えうるのは理解できるが、その前に明らかにゴールインの動きを見せているのは疑問だ。ゴールに疑義があるのであればその場に留まって主審と協議すべきだった。結果的にVARのサポートで正しい判定は導き出されたが。

なお、このプレーのチェックにはOFR実施まで約5分がかかり、OFR後のジャッジ確定までには10分弱を要している。無線の不具合もあったようなので一概には言えないが、際どい判定であるにせよ、ジャッジまで若干時間がかかりすぎている印象はあった。また無線については、雨などの場合には無線の不具合は起こりうる。代替手段の用意も含め、スムーズな試合運営ができるようにJリーグ、ホームチームともに体制および設備の準備を進めていくべきだろう。

54分には、藤尾の折り返しがブロックに入ったハッサン・ヒルの腕に当たり、OFRの末にPK判定に。この判定自体は異論があまりない妥当な判定だが、議論になったのはそのあと。PKで蹴るボールに大量の水をかけた藤尾に対して高崎主審が歩み寄り、水をかける行為を咎めたうえでボールの交換を行った。

競技規則では「ボールに水をかけてはいけない」という規定は存在しない。ただし、ボールに水をかけることにより、キーパーがボールを弾く際に滑りやすくなるのは明白であり、この行為は戦略的というよりは非紳士的だと個人的には感じる。

例えばボールが土で汚れているなどの場合は洗い流す必要性も出てくるが、今回のボールはそのような個所は見当たらない。水に濡らすことでキックがやりやすくなるとも思えず、キーパーのパンチングやキャッチを妨げようという意図で捉えるのは自然な解釈だろう。

この行為を認めるなら、意図的に泥をつける行為も許容する必要があるかもしれない。タオルでボールを拭くことは濡れたボールをもとの状態に戻すものとして認めうるが、ボールが濡れた状態であることは「元に戻す」には当たらない。これを認めなかった高崎主審の判断を個人的には支持したい。

湘南 vs 柏

(主審: 清水勇人 VAR: 清水修平)

後半終了間際、根本のシュートがブロックに入った犬飼の右腕に当たるもいったんノーファウル。ここでVARが介入し、OFRの結果、ハンドでPKとなった。映像で見れば腕が胴体から離れて広がっていることは確認でき、シュートブロックの場面であることは犬飼本人も自覚のうえなので、手に当たった以上はハンドになるのは致し方ない。

なお、清水主審はハンドやファウルの見逃しでVARのお世話になる場面が今シーズンも目立っており、事象の見極め・ポジショニングという観点での課題を抱えている印象だ。走力自体は決して低くないはずだが、中央寄りの位置に留まりがちで角度がいまひとつの場面が散見される。昨季からみられる課題だが、なかなか改善の兆しはない。

川崎F vs 横浜FM

(主審: 福島孝一郎 VAR: 山下良美)

55分、エリア内に侵入した西村に対し、橘田が後方から接触して転倒。福島主審はPK判定を下し、VARも判定を支持した。橘田はボールに触れることができず、追走する中で足が絡んでしまったうえに、背中にぶつかるような形で転倒を招いている。ファウル判定は妥当なところだろう。

札幌 vs 鳥栖

(主審: 今村喜朗 VAR: 先立圭吾)

後半終了間際、ドリブルで仕掛けた近藤を堺屋が倒してPK。切り返しに釣られて滑ってしまった堺屋は、足を残して抵抗を試みたが、残した足に近藤が引っ掛かり転倒…という形だ。近藤があえてトリップされに行った印象もあるが、堺屋は残り足を若干上げて進行を止めようとしており、堺屋の側にも接触の責任がある。ファウル判定は妥当なところだろう。



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