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クローザーとして最適な遠藤航はチェルシーにぴったり?(プレミア第20節)

イングランドプレミアリーグ第20節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee topics

至近距離で当たったボールは、

審判にとっても見にくく厄介。

リヴァプール vs マンチェスター・ユナイテッド

(Referee: マイケル・オリヴァー VAR: クリス・カヴァナー)

67分、アレキサンダー・アーノルドのクロスがやや軌道が変わりながら中央へと届き、マクアリスターがヘディングシュート。このシュートがデリフトの左腕に当たり、当初はノーファウルだったが、VARレコメンドによるOFR(オン・フィールド・レビュー)が行われた結果、PK判定となった。

マクアリスターのシュートに対するリアクション(つまりシュートブロック)の場面であり、デリフトの高く上がった腕にボールが当たった…となると、至近距離でもハンドを採らざるを得ない。距離は近いものの、ブロックの面積(バリア)を広げていると解釈される。

オリヴァー主審としては、非常に近い距離でボールが当たったこともあり、見えた映像がブレた可能性がある。私の初見としても、マクアリスターのシュートからデリフトに当たるまでの間がほとんどなく、デリフトの腕が高く上がっていたことは認識できたものの、「どこに当たったか」は残像がはっきりせず、見極めきれなかった。

リバウンドやディフレクト、至近距離でのブロックなどの場合、ボールに焦点を合わせるのは人間の行動として難しく、それは審判員も同様である。今回の場合、映像を見れば「どう考えてもハンドじゃん」なのだが、リアルタイムで見たときの見極めは意外と難しい。

とはいえ、オリヴァー主審としては中央寄りに「滞留」してしまい、角度がやや串刺し気味での見極めになったのは事実。もしかすると、選手同士が重なってボールが見えにくかった可能性もある。数歩横にずれるだけでも見える景色は変わっただろう。

ブライトン vs アーセナル

(Referee: アンソニー・テイラー VAR: ダレン・イングランド)

59分、エリア内でジョアン・ペドロの頭とサリバの頭が接触。テイラー主審はサリバのファウルを採ってPK判定を下した。ジョアン・ペドロがボールを浮かせたところで、ヘディングを試みたサリバだったが、先にジョアン・ペドロが頭でボールを突き、結果的に頭突きのような接触になった。サリバも意図的ではないと思うが、ボールに触れず頭に接触…となると、ファウルを採らざるを得ない。

ボーンマス vs エヴァートン

(Referee: ジョン・ブルックス VAR: マット・ドノヒュー)

24分、コーナーキックからのこぼれ球に反応したボーンマスのワッタラとエバートンのマンガラが接触しワッタラが倒れるもノーファウル。クリアを試みたマンガラの足がワッタラに当たってはいるが、マンガラのプレーエリアにワッタラが突っ込んできたという印象を受けた。ワッタラがボールをしっかりヘディングできていれば別だが、ヘディングは失敗しており、「無理やり割り込んできた」感は否めない。個人的にはノーファウル判定に賛成だ。

65分、ワッタラのクロスがエバートンのパターソンの腕に当たるもノーハンド判定。クロスが来ることは予測できた状況で、ボールにやや背を向けるようにしていたところで、右ひじのあたりにボールが当たっている。腕は畳んで胴体におおむね付いており、いわゆる「バリア」としての広がりはない。動きとしても広げるよりは畳もうとする意図を強く感じるので、こちらもブルックス主審のノーハンド判定を支持したい。

いずれの場合も事象自体はブルックス主審のポジションから比較的はっきり見えたはずで、「重大な事象の見逃し」が起こる可能性は低い。そしていずれも主観的な判断になるので、VARが主審の判定を覆すことはかなり難しく、介入ナシは妥当な判断だ。

ウォルヴァーハンプトン vs ノッティンガム・フォレスト

(Referee: ピーター・バンクス Assistants: ニック・グリーンハル, アキル・ホーソン VAR: アレックス・チローウィツ)

33分、フォレストのアイナのクロスがアイ・ヌーリの腕に当たるもノーハンド。VARチェックにはやや時間がかかったが、結局は介入せず…となった。

リプレイ映像を見る限りは、アイ・ヌーリの右腕は胴体からやや離れており、クロスを予測できた状況においては「バリア」として広がっているように感じる。一連として腕を引っ込める動きはしているものの、ボールが当たってから慌てて背中側に回している印象であり、個人的にはハンドを採るべきだと考える。

バンクス主審としては、腕に当たったことは明確に分かったはずだが、主審の角度だと腕の広がりは捉えにくく、背中側に腕を回そうとした一連の動きの印象が強く残ってノーハンド寄りの見え方になるのは理解できる。一方で、A1のグリーンハル副審の視野であれば腕の広がりは比較的明瞭に見えたのではないか。もちろん主審・副審でのコミュニケーションもあったとは思うが、当初判定としてなぜノーハンド判定だったのか…は疑問が残る。

一方で、VARの立場としては、当初判定が「腕に当たったが広がっていない」という判断であれば、「腕の広がりをどう捉えるか」という主観的なポイントが焦点になるので、介入は難しい。映像を見ればハンドと判断する人は多いだろうが、映像証拠は主審とA1の副審から見える景色とほぼ同じである。同じ景色を見たうえでの主観的な判断の問題…となると、現行のVAR運用ルールでは「介入しない」という判断になるのは自然な流れだ。

フラム vs イプスウィッチ

(Referee: ダレン・ボンド VAR: ポール・ティアニー)

39分、ウィルソンがドリブルでゴール前に抜け出しかけたところで、ブロードヘッドと接触して転倒。SPA(チャンス阻止)かDOGSO(決定機阻止)が微妙なところだったが、ボンド主審はSPAと判断してイエローカードを提示した。

DOGSOの要件に照らして考えると、微妙なのは「守備側競技者の数と位置」だろう。ウィルソンのラストタッチが若干イプスウィッチの他選手のほうに流れていることをふまえると、ぎりぎりカバーが間に合った…という見方はできなくはない。個人的にはDOGSOに近いようには思えるが、SPAと迷う審判員も多いはずで、ボンド主審の判断も間違いとは言えない。「どちらとも言える」パターンなので、VARの介入は難しい。

67分、またもドリブルで仕掛けたウィルソンが今度はエリア内で転倒。ボンド主審は当初ノーファウルと判断したが、VARが介入。OFR(オン・フィールド・レビュー)が行われた結果、トリッピングを採ってPK判定となった。

映像を見ればモーシーの足がかかっているのは明らかだが、ボンド主審としては選手の交錯をいわゆる「串刺し」で見ることになり、接触の有無を見極めるのは難しい位置取りになってしまった。縦に攻撃が加速した展開にやや遅れてしまい、懸命に距離を詰めたものの角度を作ることができず…となったのが痛恨だった。

そして、71分、今度はイプスウィッチにPK。デラップの切り返しに対しカスターニュが逆をとられ、咄嗟に出した足がデラップと接触している。映像で見ればデラップは右足を相手の前に「晒して」接触が起こったあと、左足のつま先を地面に付けながら倒れており、いわゆる「もらいにいった」感は強い。右足の接触が僅かであることもふまえると個人的にはノーファウル判定が妥当だと考える。

ただ、前半の事例と同じパターンで、接触がある以上はファウル判定も誤りとは言えない。こちらも「どちらとも言える」事例なので、VARとしては主審の判定をサポートするしかない。

そして後半アディショナルタイム、ヒメネスがイプスウィッチ③に倒されてこの試合3本目のPK。ただ、今回は典型的なトリッピングであり、接触があったことは明白。他の二つと比べると議論の余地は少なく、ボンド主審としても見極めは比較的容易かったのではないか。

サウサンプトン vs ブレントフォード

(Referee: スチュアート・アットウェル VAR: クレイグ・ポーソン)

67分、クロスに対するファーサイドでの競り合いで、セインツのウゴチュクウとブレントフォードのファン・デン・ベルフが交錯して転倒。上半身・腕の掴み合いは「お互い様」感があるが、アクシデンタルではあるものの右足同士が接触しており、ファウルという判断は十分にサポートできる。

アットウェル主審はやや間をおいて笛を吹いたが、オフサイドがありうる状況だったので、おそらく副審とオフサイドの有無を確認したうえでのPK判定だったと考えられる。

各試合の講評

バテないパレスとムニョス。

終盤失速のチェルシーとカイセド。

クリスタル・パレス vs チェルシー



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