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サガン鳥栖の降格は必然。財政難でチーム強化がままならず。育成重視の原点回帰を。(J1第34節)

J1リーグ第34節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

オーバーヘッドはそもそも

ファウルのリスクを抱えた

「ギャンブルプレー」だ。

湘南 vs 広島

(主審: 山本雄大 VAR: 池内明彦)

45+3分、ベルマーレのコーナーキックの場面でキム・ミンテがゴールネットを揺らすもVARが介入。山本主審がOFRを行い、ゴールにつながる前の場面で、サンフレッチェ佐々木に対するベルマーレ福田のファウルを採ってゴールを取り消した。

オーバーヘッドを試みた福田の足とヘディングを試みた佐々木の頭が接触していることは明らかだ。最終的にボールに触ったのは福田のほうだが、頭もろともいった感じもあり、ボールに到達したタイミングはほぼ同じ。佐々木が明らかに遅れて頭を出した場合にはノーファウル判定もありえたが、ほぼ同時となると佐々木のプレーにも十分に正当性があり、福田には酷だが安全確保の点ではファウルを採らざるを得ないだろう。

攻撃側競技者のオーバーヘッドは結果的に足を高く上げることになるので、周りへの安全確保が大前提のプレーとなる。もちろん、タイミングが遅れた場合には頭から突っ込む側のリスク管理の無謀さという問題が生じるものの、それを除けば競り合いの中ではオーバーヘッドを試みた側のファウルを採られやすいのは致し方ないところだ。

本ブログでも過去に触れているが、守備側競技者がスライディングでクロスやシュートをブロックするプレーと理屈は同じで、プレー自体にリスク(スライディングの場合はハンドのリスク、オーバーヘッドの場合にはファウルのリスク)が大きいことをふまえたうえで、プレー選択をする必要がある。

京都 vs 鳥栖

(主審: 福島孝一郎 副審: 野村修、平間亮 第4審: 石丸秀平 VAR: 中村太)

10分、抜け出したマルセロ・ヒアンに対し、飛び出してきたク・ソンユンが接触。福島主審はク・ソンユンにレッドカードを提示。

接触時点で、ゴールは無人の状態であり、ラストタッチは外向きだったものの、ク・ソンユンをかわせば無人のゴールに右足で流し込める状況であった。DOGSO(決定機阻止)という判断は妥当だろう。

倒れた流れの画で見ると守備陣のカバーが間に合った印象を受けてしまうが、接触が起こった瞬間で切り取るとカバーは間に合っていない。おそらくA2の平間副審との連携・協議もあったと思われるが、審判団として難しい判定を見事にやりきった。

90+4分には、ファウルを受けて倒れたマルセロ・ヒアンが京都の宮本を蹴り飛ばしてしまう愚行。審判団は事象を確認できず、VARが介入し、OFR(オン・フィールド・レビュー)の末に一発退場となった。

ビハインドで敗色濃厚の状況でファウルを受けてフラストレーションが溜まっていたのは理解できるが、プレーが止まったところで膝あたりを強く蹴っており、相手選手の安全を脅かす蛮行だ。暴力行為であり、3試合の出場停止はほぼ確定。選手自身にも猛省を促したい。

審判団の見極めとしては、主審の視点だと他の選手も重なっており明瞭な見極めは難しい。確認できる可能性が最も高かったのは副審1と第4審か。ファウル後にイザコザが起こりそうな予兆はあったので、審判団の誰かしらがアンテナを張っておきたかったところだった。(副審1の野村副審は小競り合いの予兆を感じて行動しかけたようには見えたが、リスタートの可能性を考えてラインジャッジに戻っており、ちょうど目線を切ったタイミングでの事象発生だったのかもしれない)

柏 vs 町田

(主審: 小屋幸栄 VAR: 先立圭吾)

63分、レイソルのコーナーキックの場面で、中に入ったボールをゼルビアGK谷がファンブル。こぼれ球を細谷が押し込んでゴールとなった。谷は最終的に木下と接触しているものの、自らがやや目測を誤ったことがファンブルの主要因であるように見える。接触の程度としてもそこまで強くはないので、ファウルを採らずゴールを認めた判定は妥当だろう。

89分、エリア内に侵入したゼルビアの藤本が倒れるも当初はノーファウル。2分ほど経ってプレーが切れたところでVARが介入し、小屋主審がOFR(オン・フィールド・レビュー)を行った結果、

まず初見の印象としては、藤本が両手を広げ両足をほぼ揃えるようにしながら倒れているので、「接触がないのに自分で飛んだ」というイメージが強く残るため、小屋主審のノーファウル判定に納得であった。

次にリプレイ映像で見ると、フロートの伸ばした足との接触は確かにあり、いわゆるトリッピングに近い事象が起こっていることが確認できる。そこまで強い接触ではないとは思うが、スピードに乗った状態でのドリブルなので、微細な接触でもバランスを崩しうるのは確か。映像で見てしまうと接触があったことを無視することはできず、ファウルでPK判定となることはやむを得ないだろう。

おそらく「接触はあったが、藤本にプレーを続ける意思がなく自分から倒れた」という当初判断であれば、「明白な間違い」ではないのでVAR介入はなかったはず。小屋主審としては「接触がなかった」という見方であり、実際に接触がある以上はそれが「明白な間違い」ということで介入したのではないか。

個人的には、切り返しに対応できずにスライディングの足を残してしまったフロートの守備は軽率だったとは思うし、接触があったことも間違いないとは思うが、スライディングが来たことを見越してファウルを貰いに行った印象が強く、ノーファウル判定でもよかったと考えている。ただ、接触有無の点で認識違いがあるならVARは介入するほかないし、映像を見てしまうとファウルを採る方向に傾くのも事実。難しい判定ではあった。

C大阪 vs 磐田

(主審: 清水勇人 VAR: 鶴岡将樹)

90+6分、エリア内でジュビロ松原とセレッソ田中が接触。清水主審は松原のファウルと判定し、磐田にPKを与えた。

こぼれ球を松原がクリアしようとしたところで、後ろから駆け寄った田中がボールと松原の間に足をねじ込んだ形。結果的に松原はボールよりも前に田中の足を蹴ってしまうことになり、これをファウルを捉えてのPK判定となった。

難しいのは、田中がねじ込んだ足に正当性があるかどうかだ。ボールとの距離を考えると、これをもってボールキープに繋げることは難しく、松原のキックを妨害しようという意図で捉えると、むしろ田中のファウルになった可能性すらある。

シンプルに考えるのであれば、エリア内で背後に迫る相手に気づかずフルスイングしてしまった松原のプレーが軽率だった…という形にはなるが、背後の相手からいきなり足を出されると骨折や股関節を痛めるなどの負傷リスクもあり、両者にとって危険性がある接触となった。このようなプレーは守備側の配慮不足としてファウルが採られる場合が多いが、プレーの正当性を突き詰めるとけっこう難しい。

各試合の講評

嵩んだ失点が降格の決定打。

ピッチ内外で課題山積の鳥栖。

京都 vs 鳥栖



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