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前半低調、後半攻勢。攻撃の「仕組み」がないコンテスパーズ。(プレミア第17節)

イングランドプレミアリーグ第17節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee topics

不必要なファウルで警告2枚。

もったいないトムキンスの退場。

クリスタルパレス vs フラム

(Referee: アンディ・マドレー VAR: マイク・ディーン)

34分、ミッチェルのトラップが流れたところにテテが食いつき、両者が激しく接触。ミッチェルはボールに向けて足を伸ばしたと思われるが、テテに先にボールを触られ、そのままテテの右足首あたりに左足裏がヒット。強度・接触部位ともに負傷のリスクは大きく、悪意はなかったとしても一発退場という判定はやむを得ない。

マドレー主審はミッチェルにレッドカードを提示し、VARもその判定をフォローした。ベンチ前でのプレーだったので場合によっては両軍がエキサイトする可能性もあったが、マドレー主審は速やかにカードを提示&ドクターを要請し、場を収めた。

57分には、トムキンスがこの試合2枚目の警告を受けて退場に。2枚目の警告については、腕を広げた結果として肘がミトロヴィッチの首あたりに接触しているが、そもそも腕を広げる必要性がなく、ファウルに相当するプレーだ。接触部位が首あたりだったことをふまえると十分にイエローカードに相当する。

むしろもったいなかったのは前半にもらった警告だろう。敵陣深くで執拗にホールディングを続けたことによる警告だったが、こちらもファウルで止めなければならないような場面ではなく、やる必要のないプレーだ。不必要な2つの行為はいずれも十分に警告に相当した。

71分には、フラムの追加点のシーンでOFR(オン・フィールド・レビュー)が行われた。リームがシュートを打つ前にミトロヴィッチの腕にボールが当たっているが、不自然な位置ではない。ゴールの「直前」であれば意図的でなかったとしてもハンドの反則となるが、シュートを打ったリームの腕に当たっているわけではないので、現行の競技規則では「直前」には該当しない。結果としてゴールを認めた判断は妥当だ。また、おそらくマドレー主審はミトロヴィッチの腕にボールが当たったことを確認できていなかったので、「見逃された重大な事象」としてOFRを勧めたVARの判断も妥当だったと思う。

ブレントフォードvsトッテナム

(Referee: デーヴィッド・クーテ VAR: スチュアート・アットウェル)

51分、クロスに対してミーとケインがもつれ合って倒れるもノーファウル。ミーはボールと関係なくケインを抱え込んでおりホールディングを採られてもおかしくないシーンだったが、ケインと「掴み合い」になっていた面もあり、不問となった。ファウルを採る選択肢は十分にあったが、ノーファウルという判断でも間違いではない。

75分、フォースターと1対1を迎えたエムベウモがエリア内で転倒するも、シミュレーションのジャッジ。フォースターとの接触はなく、いわゆる「ダイブ」であった。クーテ主審としてはやや中央寄りにポジションを取ったので見えにくい部分はあっただろうが、あれだけ露骨に「飛んで」くれれば判定は容易い。

レスター vs ニューカッスル

(Referee: ジャレッド・ジレット VAR: ピーター・バンクス)

開始早々の2分、エリア内でアマーティがジョエリントンを倒してPK。ボールに先に触られ、ジョエリントンの足を踏みつける形になっており、ファウルであることにはほぼ議論の余地はない。

むしろ論点となるのはDOGSO(決定機阻止)かどうかだろうが、ジョエリントンの最後のボールタッチがかなり大きくなっており、平行の位置にカスターニュもいたことをふまえると、SPA(チャンス阻止)止まりだろう。エリア内でのボールに対するプレーなので懲戒罰は一段階下がってノーカードとなるが、足を踏みつける形になったことを考慮すると、ラフプレーでの警告は提示してもよかったかもしれない。

サウサンプトン vs ブライトン

(Referee: ロバート・ジョーンズ VAR: マイケル・サリスバリー)

71分、ドリブルで仕掛けたエドジーを戻ってきたグロスが倒してPK。エドジー側が勢い余って衝突した印象も否めないが、股を抜かれてボールからは置き去りにされており、前進を阻んだとしてファウルを採る判断は十分に受け入れられる。

ジョーンズ主審は瞬間的なスプリントをかけて的確な位置をとっており、下したジャッジには説得力があった。これまでの担当試合では動き出しやポジション修正が遅れる場面も散見されたジョーンズ主審だが、この場面では自身の課題を克服したようにも見え、今後の成長にも期待したい。

各試合の講評

前半は低調、後半は攻勢。

いつもどおりのトッテナム。

アーセナル vs ウェストハム

アストンヴィラ vs リヴァプール

ブレントフォード vs トッテナム

ロリスとロメロというワールドカップ決勝に出場した主力がおやすみとなったスパーズは、タンガンガやドハーティなど出場機会があまりなかった選手をスタメン起用したが、結局は「いつもどおり」の試合展開となった。

前半はチーム全体のインテンシティは上がらず、特にネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)の遅さが散見される中で、案の定で失点。失点後はやや攻勢に出るものの、個人のミス(ダイアーのキックミスでコーナーキックを献上)で後半の序盤に再び失点。2点ビハインドで火が点き、怒涛の攻勢で2ゴールを奪い同点に。ここで逆転までいくことも多かったが、今節はブレントフォードが粘りを見せて同点止まりとなった。

コンテのチームが抱える課題は変わっていない。最大の課題は、攻撃が個の突破と即興的な連携に依存している点。ポジショナルプレーのメカニズムが確立されていないので、即興性が高い速攻は機能する一方で、相手の守備ブロックが整った状態での遅攻ではまるで打開策がなくなってしまう。また、今節では露呈しなかったものの、相手がハイプレスに出てきた場合にはビルドアップが手詰まりに陥るのも同様の理由だ。

守備面では、戦術云々というよりは個々のクオリティ不足が問題だ。センターバック陣は、対人守備はそこそこだがインテリジェンスに欠け、高さはあるがスピードに難あり…というほぼ同じ特徴をもつため、低めのライン設定で3バックを組む…しか現実的な選択肢がない。コンテが注力すべきはやはり攻撃のメカニズム構築だろうが、開幕以来あまり上積みがなされた気配はなく、これまで指揮したクラブでの実績を見ても、コンテに攻撃面での上積みを作り出す手腕があるようには思えない。



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