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ルイス・スケリーのPKはやや厳しい。後手を踏んだのは彼自身の責任だが。(プレミア第31節)

イングランドプレミアリーグ第31節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee topics

イングランド主審のドタバタ。

M23ダービーは3枚のレッド。

波乱多き第31節。

エヴァートン vs アーセナル

(Referee: ダレン・イングランド VAR: スチュアート・アットウェル)

後半開始早々の46分、ハリソンが裏に抜け出し、ルイス・スケリーと交錯して転倒。イングランド主審はPK判定を下し、VARも判定をフォローした。

いわゆる「掴み合い」には見えるので、お互い様・喧嘩両成敗という見方をするのが妥当にも思える。お互いホールディング気味だが、先に手をかけたのはハリソンにも見えるので、ルイス・スケリーとしては厳しい判定となった。

ただ、状況・流れをふまえると、ロングボールに対しルイス・スケリーが目測を誤ったところでハリソンが食いつき、ハリソンが一歩前に出たところで追いすがる形での接触にはなっている。おいていかれそうになったところで手をかけた…という見え方になるのは、やむを得ないようにも感じる。

個人的にはノーファウルでもよかったと感じるが、ファウル判定も十分にありえる。審判員によって見解は分かれそうだが、そうなるとVAR介入はほぼ成しえない。イングランド主審の判定は尊重されるべきだ。

なお、試合終了時にはアディショナルタイム4分表示に対して、93:50あたりでいったん終了のホイッスルを吹き、選手のアピールを受けて改めて確認したうえで、もうワンプレーやらせるという珍しい事象が起こった。

アディショナルタイムはあくまでも目安だが、4分=4:00-4:59であり、93分台で終わるのはおかしい。エヴァートンの得意とするセットプレーだったこともふまえると、あとワンプレーやらせる判断が妥当だ。時計を見間違えたのか、アディショナルタイムを3分目安だったと勘違いしたのか。いずれにせよ気づいて再開させたので大きな問題にならずよかった。

ただ、その後のセットプレーをラジャがキャッチし、パントキックで最後のカウンターに移ろうとしたところで終了のホイッスル。終わらせたこと自体は「あとワンプレーだけ」という再開だったはずなので問題ないが、ラジャのパントキックを明らかにブロックしたブランスウェイトはイエローカードに値したように思う。

このシーンでは、イングランド主審はボールが完全に目を切ってセンターサークル方向を指し示しながらホイッスルを吹いている。試合終了の笛を吹く際、慣例的にセンターサークル方向を指すことは多いが、笛を吹くまではインプレーである以上、ボールから目を切るのはいただけない。最後は「バタつき」が目立ったイングランド主審だった。

クリスタル・パレス vs ブライトン

(Referee: アンソニー・テイラー VAR: クレイグ・ポーソン)

69分、こぼれ球に反応したエンケティアがエリア内で倒れるもシュミレーションの判定でイエローカード。リプレイ映像で見るとエストゥピニャンとの接触はあったようだが、それをかわした後で自ら倒れ込んだという印象が強い。

現に、エンケティアはエストゥピニャンをかわした後、左足をしっかり着地しており、そのあと右足の爪先を立てるようにして倒れている。左足の着地時点でバランスを崩していれば勢いそのまま倒れたとも見えるが、左足がしっかり着地している以上、自ら倒れにいったという捉え方にはなるのは自然だろう。

ここで警告を受けたエンケティアは78分、ルーズボールに対しファン・ヘッケがヘディングをしようとしたところに足を高く上げて突っ込み、2枚目の警告を受けて退場に。ファン・ヘッケの存在を認識できていなかったのかなとは思うが、あのボールにDFが出てくることは配慮すべきものであり、軽率なプレーだった。ヒットしていれば一発レッドもありえたが、さいわい接触は最小限で済んだのでイエロー止まりで問題ないだろう。

90分には、グエイがヒンシェルウッドへのタックルで2枚目の警告を受けて二人目の退場処分に。ヒンシェルウッドの下半身に高く上げた足裏がヒットしており、最低でもイエロー、一発レッドの可能性もあった。前述のエンケティア同様に安全への配慮に欠けたプレーであり、間際に若干足を引いたのでフルヒットはしていないとしても、警告に値するのは間違いない。

90+6分、今度はブライトンのファン・ヘッケが2枚目の警告を受け本日3人目の退場処分に。味方の短くなったパスを鎌田大地にカットされ、その前進をファウル覚悟で止めた形。ファウルであるのは間違いないが、個人的にはDOGSO(決定機阻止)で一発退場とするのが妥当だったと思う。とはいえ、ボールがやや弾んでいた点を考慮すればSPA(チャンス阻止)という見方もできなくはないので、テイラー主審のジャッジも間違いではない。

結果的に3枚のレッドカードが提示されたが、いずれも妥当なものであり、アンソニー・テイラー主審の判定は問題ない。結果だけ見ると審判が派手に立ち回ったようには見えてしまうが、この試合に関しては選手側の軽率なプレーの連続が要因であり、審判員としては最善を尽くしたといえる。

イプスウィッチ vs ウォルヴァーハンプトン

(Referee: ピーター・バンクス VAR: アンディ・マドレー)

前半、バックパスの処理を誤ったイプスウィッチGKがゴールライン直前でボールを手で掻き出す珍しいシーンが発生。一見するとDOGSOに見えるシーンだが、競技規則上は「間接フリーキックかつ懲戒罰なし」となるケースだ。

ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、認められていないにもかかわらず手や腕でボールを扱った場合、間接フリーキックが与えられるが、

懲戒の罰則は与えられない

(『サッカー競技規則2024/25』

第12条 ファウルと不正行為 1. 直接フリーキック)

明らかにゴールを阻むものなので「抜け穴」にも思えるが、競技規則上でそうなっているのでノーカードが妥当だ。発生頻度がほとんどないこともあり、審判員としても運用を一瞬迷う者は多いと思う。ただ、日本(Jリーグ)では、2022年に本件と同じケースで誤ってレッドカードを提示した事例があり、それが大きな話題となったことで本競技規則の認知がかなり進んだ印象だ。

トッテナム vs サウサンプトン

(Referee: マイケル・サリスバリー Assistants: マシュー・ウィルクス, デレク・イートン VAR: グレアム・スコット)

13分のブレナン・ジョンソンの先制シーンでは、シュート時点でソランキがオフサイドポジション。シュートコースのそばに位置しているものの、ボールに対して反応はしておらず、GKの視界を遮ったり影響を与える動きを見せたりはしていない。オフサイドではないという判断で問題ないだろう。

33分、フリーキックから最後はベリバルがゴールに流し込むもVARが介入。フリーキックに最初に合わせたロメロがオフサイドポジションでゴール取り消しとなった。出ている度合いは体半分以下であり、A1のウィルクス副審としては難しいジャッジだった。

ちなみに42分のブレナン・ジョンソンのゴールも選手の入れ替わり際であり難しい判定になったが、ここではしっかりとオンサイドを見極めて雪辱を晴らした。前半だけで3度の際どいラインジャッジとなり真価が問われる試合になった。

90+4分にはオドベールが持ち運び、最後はブレナン・ジョンソンがウェリントンに倒されてPK。ボールタッチが少し大きくなったところでスライディングにいったものの、間際でブレナン・ジョンソンが外方向にボールを進め、いわばボールを「隠した」ことで、ウェリントンはボールに触れず。サリスバリー主審としては、際どい接触だったが、ボールと足の位置関係をしっかりと把握して判定を下した。



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