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上田益也VARの介入は妥当。高崎航地主審が「重大な事象の見逃し」をしなければ…。(J1第33節)

J1リーグ第33節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

ホールディングは

映像だとより「露骨に」見える。

柏 vs 横浜FM

(主審: 高崎航地 VAR: 上田益也)

18分、マリノスの谷村がゴールネットを揺らすも、VARが介入。OFR(オン・フィールド・レビュー)の末に、谷村のファウルを採ってゴール取り消しとなった。

まず、起こった事象のみを考えてみると、リプレイ映像を見る限り、谷村の手が古賀にかかっていること、そこから両者の交錯が始まったことは間違いない。それより前に古賀が谷村を手で押したようにも思えるが、古賀のそれをファウルと捉えるのは難しいだろう。

きっかけを作ったのが谷村であり、谷村の最初の行為がホールディングに該当するものなので、ファウル判定は一定の妥当性があり、最終的なジャッジは「ミス」とは言えない。もちろん、DAZN解説の林陵平氏が述べたように、「ストライカーからすると、ファウルを採られると厳しい」という強さではある。ただ、確かに手がかかっている以上、ホールディングを採る判断は十分にありうる。

一方で、「VAR介入が妥当なのか」という点は非常に悩ましい。「手はかかったがお互い様」のような当初判定であれば、それは「明白な間違い」とは言えないので、VARの介入は困難だ。今回の事象でVARが介入しうるのは、「重大な事象の見逃し」のほうだろう。

ここからは推測が入るのでJFA審判委員会の公式見解を待ちたいところだが、おそらく高崎主審は谷村の手が「見えていなかった」可能性が高い。つまり、「手がかかっていたが、主審は見えていなかった」であれば、VARとしては介入せざるを得ないかなというところだ。

上記はあくまでも推察だが、現実にその通りだったと仮定すると、上田益也VARとしてはOFRをレコメンドしたくなるのは共感できる。ホールディングは映像で見ると実際よりも「露骨に」感じてしまう。映像をチェックする中で「明らかなホールディングが見逃された」という見解になるのは自然な成り行きだ。

高崎主審としては、映像で見てしまうとファウルを採らざるを得ないだけに、当初判定の時点で競り合いをしっかり漏れなく確認したかったところ。リプレイ映像で高崎主審の目線の動きを辿ると、クロッサーのほうにフォーカスしており、クロスに応じて中央に目を運んだ時点では、既に古賀が体勢を崩し始めている。

クルークスは切り返してのクロスが得意であり、右足クロスが「突然」で後手を踏んだのかもしれないが、中央は谷村1枚であり、そこでクロスのポジション争いが起こるのは必至。決して簡単ではない事象ではあるが、主審としては視野に入れておきたかったところだ。

広島 vs 町田

(主審: 笠原寛貴 VAR: 吉田哲朗)

同点で迎えた90+3分、コーナーキックの競り合いでサンフレッチェの佐々木とゼルビアの昌子がもつれ合って転倒。笠原主審は昌子のファウルを採ってPK判定を下した。

最終的に昌子が佐々木を抱え込んでいるのは確かで、これは十分ホールディングに値する行為だ。一方で、佐々木も昌子を掴んでおり、ユニフォームが伸びている様子がわかる。

DAZN中継では最終的に倒れた場面の映像しか出なかったので、先にホールディングを始めたのはどちらかが明確にはわかりづらい。引き目の映像で見ると昌子のように見えるが、判断が難しい部分はある。

ただ、ポジションとしては佐々木が前に出ており、昌子は後れをとった形。昌子のユニフォームが伸びている部分のみをクローズアップして佐々木側のファウルを主張するのは正当性に欠けるだろう。追走する中で後ろから手をかけている…と捉えるのが自然であり、昌子のホールディングを採った判断は一定の妥当性があると考える。

笠原主審としては、目の前での出来事だったので判断に迷いはなかっただろう。ホイッスルは歓声にややかき消された感があるが、昌子のファウルである点を明確に示し、毅然として判定を下した。VARとしては、「佐々木が先にホールディングを始めた」という明白な証拠がない限りは介入は難しい。実際のところ、昌子のほうが先に手をかけているように見えるので、介入の余地はほぼなさそうだ。

京都 vs 川崎F

(主審: 上村篤史 副審: 梅田智起、坊薗真琴 VAR: 上原直人)

38分、サンガの須貝がゴール。奥川の抜け出しもタイトで、最後の松田天馬のラストタッチ時点での須貝のポジションもタイト。際どいオフサイドジャッジが連続して起こった難しい場面だったが、A2の坊薗副審は素早いサイドステップで素晴らしい見極め。プロのレベルを感じさせるスーパージャッジだった。

終盤にはフロンターレのロマニッチが続けざまに警告を受けて退場に。プレッシングの途上で鈴木と後ろから突き飛ばし、88分には宮本にアフターで接触。守備意識は買えるが、どちらも「そこでやらんでも…」という余計なファウル。不用意でもったいないプレーだった。

鹿島 vs G大阪

(主審: 山本雄大 副審: 唐紙学志、藤澤達也 VAR: 上田益也)

11分、ガンバの山下が裏に抜け出し、エリア内でキム・テヒョンの手がかかって転倒。オフサイドだったのでアントラーズとしては「助かった」が、もしオンサイドであれば明らかなDOGSO(決定機阻止)であり、かつホールディングなので三重罰の軽減もない。キム・テヒョンとしては、レッドカード間違いなしの行為だった。

なお、A1の唐紙副審にとっては、このシーン以外にもガンバが裏抜けを狙う場面が多く、タイトなオフサイドジャッジが多発。負担が大きい試合展開となったが、見事にやり遂げた。

90+1分、濃野のクロスが満田の手に当たりハンド。クロスブロックの場面で、手が胴体から離れており、そこにクロスが直撃。明らかなハンドだ。山本主審はよい角度で事象を見ており、唐紙副審からの視点も判定を裏付けたはずだ。

浦和 vs 神戸

(主審: 池内明彦 副審: 西橋勲、堀越雅弘 VAR: 谷本涼)

38分、ヴィッセルの酒井高徳のクロスがレッズの荻原の右腕に当たってPK。荻原自身の足に当たってディフレクトした形だが、腕は胴体から離れており、ブロックの面積(バリア)を広げている。腕の位置は正当なものではなく、ハンドを採るのは妥当だろう。

池内主審としては角度的に見えにくかったかもしれず、A2の堀越副審からの助言があったかもしれない。



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