オフサイド5回、PK1回、その後の決勝点。セレッソ劇場で森川浩次副審も大忙し。(J1第10節)
J1リーグ第10節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。
審判Topics
2度のVAR介入はあったが、
審判団は最善を尽くした。
池内主審、森川副審に拍手を。
C大阪 vs 鹿島
(主審: 池内明彦 副審: 赤阪修、森川浩次 VAR: 大坪博和)
セレッソが計6回ゴールネットを揺らすも、スコアは1-0。5度にわたりオフサイドでゴール取り消しとなる珍しい試合となった。終了間際のPKも含め、池内明彦主審、A2の森川浩次副審としては非常に忙しい試合となった。
オフサイドジャッジに対しVARが2度介入したものの、他の4回(オフサイド3回+PK)は妥当な判定を出せており、審判団としては「よく頑張った」と言える試合だったのではないか。
●オフサイド①
55分、ルーカス・フェルナンデスのクロスにラファエル・ハットンが合わせるも、ハットンがわずかにオフサイドポジション。VARのOR(オンリー・レビュー)によりジャッジ変更。
●オフサイド②
65分、ボール奪取からハットン、ルーカス・フェルナンデスと繋いでゴールネットを揺らすも、A2の森川副審の旗が上がりオフサイド。ハットンがパスを受けた時点で体半分出ていた。55分のVAR介入から切り替えてナイスジャッジ。
●オフサイド③
67分、セットプレーから進藤がヘディングで合わせて、この試合3度目のゴールイン。しかし、進藤が体半分出ていた。本日2度目のOR(オンリー・レビュー)によりジャッジ変更。
●オフサイド④
90+4分、本間のクロスに田中駿汰がヘディングで合わせ、4度目のゴールインとなったが、森川副審の旗が上がりオフサイド。田中駿汰のシュートの軌道上にいたハットンがオフサイドポジションで、シュートを飛び上がって避けている。田中のヘディングの強さとコースからして、仮にハットンがいなくてもGKが止められた可能性は高くない気はする。が、シュートの軌道上で明らかに反応しており、GKと近い位置にいたこともふまえるとオフサイドを採るのが妥当だろう。
●オフサイド⑤
90+5分、カウンターからハットンが抜け出してゴールネットを揺らすも、またまたA2の副審の旗が上がりオフサイド。このシーンは体一つ分出ていたものの、試合終了間際の速攻の場面であり、見極めは容易ではない。副審としても当然疲労がある中でしっかりとラインをキープして見極めたのは称賛に値する。
●PK
90+7分、エリア内で仕掛けたルーカス・フェルナンデスがアントラーズのターレス ・ブレーネルに倒されてPK。鋭い切り返しに対し、完全に逆をとられ、体ごと突っ込みながら肩に手もかかっており、ファウル妥当だ。
アントラーズ側の「跳んでるじゃん!」「なんで(映像を)見ないの?」という主張がDAZN中継にも入っていたが、もちろん誘った面はあるとしても、ブレーネルはいわば「死に体」である。ボールに置いて行かれた状態で接触していること、さらに僅かではあるが手がかかっていることもふまえると、ファウル判定は十分に妥当性あり。VARの介入要件である「明白な間違い」はなく、OFRで確認する必要はない。
なお、アントラーズとしてはセレッソがカウンターに入る前、ボール奪取の場面でのレオ・セアラへのファウル(96:35あたり)も主張していたと思われる。ただ、こちらは肩同士の接触であり、正当なショルダーチャージと捉えるのが妥当で、ノーファウル判定で問題ないだろう。
清水 vs 川崎F
(主審: 上村篤史 VAR: 鶴岡将樹)
60分、エリア内へのパスに対し、エスパルスの北川とフロンターレの河原が接触してPK。インターセプトを狙った河原だったが、北川がボールとの間に足を差し込んで、結果的に北川の足に突っ込む形になった。
北川は河原の動きを認識したうえで足を「晒して」いる。ボールと関係なく河原の進路に足を出していれば北川側のファウルになる可能性もあったが、今回は「ブロック」の範囲内であり、河原のファウルとするのが妥当だろう。
84分、スルーパスを受けたマルシーニョが抜け出そうとしたところで北爪と接触。上村主審はDOGSO(決定機阻止)と判断しレッドカードを提示した。
状況としてDOGSO(決定機阻止)の要件を満たすのは明らかであり、ポイントになるのは「そもそもファウルかどうか」という点。北爪としてはショルダーチャージという認識だろうが、個人的には伸ばした足が気になるところ。北爪はボールを触ろうとしたのだと思うが、結果的にはマルシーニョが先にボールタッチし前に持ち出しているので、北爪の足はマルシーニョの前進を阻む形になっている。
ファウルを採らない選択肢もあるが、マルシーニョのほうが優位な位置・体勢である点も考慮し、ファウル妥当と考える。そして、ファウルであれば状況はDOGSO。ノーファウルもありえた中では厳しい判定だが、レッドカードのジャッジは妥当だろう。
東京V vs 神戸
(主審: 中村太 VAR: 福島孝一郎)
42分、コーナーキックからヴェルディがゴールネットを揺らすもVARが介入。OFR(オン・フィールド・レビュー)の結果、ヴェルディの綱島のヴィッセルGK前川へのファウルを採ってゴール取り消しとなった。
コーナーキックに対し、前川がキャッチを試みたところに綱島が飛び込んで接触。前川がキャッチしようとしたタイミングで綱島がぶつかり、バランスを崩してファンブルしている。ボールは綱島がヘディングできる高さにはなく、タイミングとしても若干遅れたことから、前川への接触の正当性は見いだせず、ファウルを採るのが妥当だろう。
中村主審としては接触が見えていなかったはずはないので、接触タイミングが同時(前川がまだ手中に収めていない)と判断したのではないか。際どい見極めだったが、高さのあるボールだったので落下点での競り合いは予測できた中で、なんとか見極めたかったシーンだ。
85分、佐々木が裏に抜け出そうとしたところを綱島が止めてファウル。2枚目の警告で退場処分となった。綱島の右腕は大きく広がっており、かつ佐々木の首のあたりに入っている。ショルダーチャージと捉えるのは無理があり、佐々木が完全に抜け出しかけたところを手を使って阻止した…という見方が妥当だろう。
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