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ジェジエウ不在の川崎は重心を下げるのも一手か。柏は満を持して井原正巳が昇格。(J1第14節)

J1リーグ第14節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee Topics

畠中はレッドカードが妥当に思える。

エドゥアルドはノーハンド妥当。

G大阪 vs 横浜FM

(主審:木村博之 副審2:梅田智起 VAR:柿沼亨)

47分、こぼれ球に走りこんだファン・アラーノに対して畠中がスライディングタックルしたシーンについて、当初はノーファウルのジャッジだったがVARが介入。OFR(オン・フィールド・レビュー)の末にイエローカードが提示された。

畠中はボールに対してプレーしようとしており、結果的にボールに触れているものの、そのあとにファン・アラーノの足首あたりに足裏ががっつり入っている。助走をつけてのスライディングなので勢いもあったことをふまえると、大怪我のリスクもある非常に危険な接触であった。ファウルであることは間違いなく、ラフプレーでカードを提示すべきというところまではほぼ確実だ。

論点になりうるのはイエローカードかレッドカードか…という判断だろう。木村主審としてはボールへのチャレンジであったという点を加味してイエローカードという判断だったと思われる。

個人的にはレッドカードが妥当だと考える。接触の強さがかなり強かったうえに、そもそも足裏を相手に向けてタックルする必然性がない(足の甲の側で掻き出すようにタックルすべき)シーンであった点をふまえると、安全への配慮が著しく欠けていた印象だ。とはいえ、いわゆる「オレンジ」程度の事象なので、木村主審の判断も受け入れられる範疇ではある。

事象の見極めという点では、木村主審としては、畠中がボールを触ったという点が強く印象づけられたことで、ボールに触れた後の接触にフォーカスしきれなかったかもしれない。A2の副審も比較的よい角度には立っていたが、ファン・アラーノに跳ね返ってゴール方向にボールが飛ぶ可能性があるシーンなので、焦点はオフサイドライン側にあったはずで、接触の見極めを求めるのは酷だろう。

56分、ジェバリのクロスがエドゥアルドの手に当たったシーンはVARチェックにやや時間がかかったもののノーハンド。クロスは腕に直接当たったわけではなく、太腿あたりに当たったのちに跳ね返って腕に当たっている。また、腕は最初は高く上がっていたが、ボールが当たった際にはかなり下がって胴体に近づいており、過度に体を大きくしたとも言いがたい。個人的にはノーハンドの判定は支持したいと思う。

続いて59分には松原が2枚目の警告を受けて退場に。2枚目の警告については、アクシデンタルではあったものの、振った手が顔面に当たっており、接触部位と強さを考えると警告はやむを得ないだろう。11分の1枚目の警告に関しては、むしろ警告で済んだのが幸運だったくらい。ゴールまでの距離と守備者の枚数という点が加味されてなんとかSPA(チャンス阻止)で済んだものの、あとすこしゴールに近い位置であればDOGSOで一発退場もありえた。

鹿島 vs FC東京

(主審:谷本涼 VAR:飯田淳平

前半25分、裏へのボールに走りこんだディエゴ・オリヴェイラが関川に倒されてPK。関川がディエゴ・オリヴェイラの背中を明らかに押しており、プッシングのファウルを採られても致し方ないだろう。

ディエゴ・オリヴェイラの倒れ方がややオーバーであったこと、ファウルがなかったとしてボールに届いたかどうかは微妙であることなどを加味しても、あれほど露骨に手が出てしまうと言い訳は難しい。

鳥栖 vs 新潟

(主審:西村雄一 VAR:大坪博和

76分、鳥栖のコーナーキックのシーン。ヘディングで飛び込んだ河田の顔にクリアを試みた新井の右足がヒットしていた。当初はノーファウルだったがVARレコメンドによるOFRの末、鳥栖にPKが与えられた。

低めのボールではあったのでヘディングで飛び込んだ側が無謀だったという見方もできるが、あの高さであればニアサイドでダイビングヘッドという選択は十分に受け入れられる。そうなると、新井の安全への配慮が欠けていたということでラフプレーとみなすのが妥当だろう。最終的なPKジャッジは妥当だと言える。

西村主審としては、後ろに流れたボールを目で追ったと思われるので、接触にフォーカスしきれなかったか。とはいえ、前節のFC東京vs川崎戦に続いて2戦連続でVARに救われた形となっており、接触の見極めの精度が全盛期よりも落ちているのは否めない。現在51歳、動体視力も含めたコンディション維持は容易ではない。

福岡 vs 浦和

(主審:清水勇人 VAR:山本雄大

前半35分、興梠のボールキープから安居がゴールネットを揺らすも、VARが介入。OFR(オン・フィールド・レビュー)の末に興梠のハンドを採ってゴールは取り消しとなった。

興梠が左腕を広げてボールをコントロールしているのは明白であり、自然な位置とは言えないので、あとは広げた腕に当たったかどうかが判断のポイントになる。リプレイ映像で見ると、胸だけでなく腕の部分にも当たっているように見えるので、ゴール取り消しは妥当な判断だろう。

OFRのレビュー映像に清水主審の後ろ姿が映りこんでいることからわかるとおり、角度的にはハンドを十分に認識できる位置にいたように思えたので、なぜハンドを採らなかったのかは疑問だ。接触箇所がわかりにくかったかもしれないが、あのポジショニングがとれていたならVARなしで見極めて判断したかったシーンだと言えよう。

札幌 vs 京都

(主審:福島孝一郎 VAR:中村太

前半5分、金子のクロスに飛び込んだ小柏が倒れてPK。右足でクリアを試みた麻田だったが、背後から小柏にボールをさらわれ、ボールではなく小柏に接触してしまった。妥当な判定だろう

各試合の講評

屈強な2トップと良質なパサー。

適材適所が安定感に繋がる鹿島。

鹿島 vs FC東京

試行錯誤を経て、伝統の4-4-2に最適解を見出したアントラーズ。キープ力に優れエリア内で強さを発揮する2トップ、良質なパスやクロスを供給できる中盤、前向きの守備であれば強さを出せる最終ライン、とそれぞれの特長がうまくハマり、完封勝利が続いている。

今節は関川の不用意なファウルでPKを献上し連続無失点が途切れたものの、セットプレー以外は大きく崩されるシーンは稀で、守備はある程度の強度を保った。攻撃に関しても前半はクロスを軸にゴール前に迫ったが、後半はプレー強度が下がりFC東京に押し込まれる時間帯もあった。

連勝のあいだはある程度メンバーを固定することで成熟を図ってきたが、主力は連戦による疲労も見受けられるので、リザーブの奮起が求められる。開幕からしばらくは不動のスタメンだった佐野海舟、広瀬に地位を脅かされている常本あたりにさらなる奮起を期待したいところだ。

横浜FC vs 川崎F

5バック移行後は調子が上向きで最下位を脱出した横浜FC。怪我人続出で苦戦が続くフロンターレ。今節は、横浜FCが主砲の小川航基、フロンターレが中盤の脇坂とシミッチという代えが利かない主力を欠く苦しい状況での対戦となった。

前半にカウンターから横浜FCが先制に成功すると、後半に前掛かりとなったフロンターレの逆を突いてカウンターで加点。5バック気味に構えて辛抱強く守り、少ないチャンスをモノにするという戦い方がチームに浸透してきており、その戦術の中でスピードスターの山下が躍動している。

フロンターレとしてはジェジエウが不在の最終ラインがスピードに対する脆弱性を露呈。出場機会が少なく運動量もプレー強度も足りなかった橘田では中盤のスペースを広くカバーしていたシミッチの穴は埋まらず、攻撃面でパスセンスを発揮した大島も守備面では脇坂の貢献度を大きく下回った。「それなりに攻撃はできるがゴールが決まらず、中盤より後ろの守備が脆さを露呈」という今季を象徴する敗戦となった。

何より待たれるのはジェジエウの復帰だが、昨季の欠場の原因にもなった膝周りの負傷(厳密には内側と外側の違いはあるが)であり、復帰を急ぐべきではない。高井、車屋、山村、大南と枚数はいるものの絶対的な軸がおらず、守備陣の統率が取れていない印象も強い。現状のメンツではハイラインはリスクが高く、重心を下げての戦いも検討すべき頃合いかもしれない。

柏 vs 神戸

開幕からの不振もあり、レイソルは5/24にネルシーニョ監督の退任を発表。長らく柏のコーチを務めてきた井原正巳氏が監督として昇格することになり、首位ヴィッセルとの一戦が初陣となった。

結果は引き分けだったが、後半はヴィッセルを上回るプレー強度を見せており、少なくともカンフル剤としての効果は一定程度見られたと言えよう。ネルシーニョ第一次政権の2011シーズンのレイソルの持ち味は堅守速攻であり、そのアイデンティティを取り戻すことが喫緊の課題となる。その片鱗は初陣からもある程度見えたが、戦術整備はまだまだこれから。アビスパ福岡で監督を務めたこともあったが、基本的にはコーチ業が長かった井原監督の手腕の見せ所だ。



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