カルヴァハル退場はやむなし。最終的な接触は軽微だが「頭を振った」のは確か。(CL第1節-1)
UEFAチャンピオンズリーグのリーグフェーズMatchday1。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。
Referee topics
CL決勝を裁いた
フランス審判団の好ジャッジ。
ユヴェントス vs ドルトムント
(Referee: François Letexier Assistants: Cyril Mugnier、Mehdi Rahmouni VAR: Jérôme Brisard)
83分、ギラシのシュートをブロックしたケリーのハンドを採ってPK。体を投げ出してブロックする中で、足と逆方向に残った(というより「残した」)腕にシュートが当たっている。シュートブロックの面積(バリア)が広がっており、その状態で腕に当たれば当然ハンドだ。
フランソワ・ルテクシエ主審(フランス)はハンドと判断したうえで、ドルトムントがこぼれ球を押し込む可能性があったので、ボールの行方を注視。シュートが阻まれたところでPKを宣告した。冷静な見極めだった。
後半アディショナルタイムには、ヴラホヴィッチのクロスにケリーが合わせて値千金の同点弾。VARチェックにもかなり時間を要する際どいオフサイドジャッジだったが、A1のシリル・ミュニエ副審の見事な見極めが光った。終了間際の心身ともにタフな場面で素晴らしい判定だった。
レアル・マドリード vs マルセイユ
(Referee: Irfan Peljto VAR: Dennis Higler)
27分、ロドリゴの仕掛けに対しコンドクビアがファウル。イルファン・ペリト主審(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)の目の前での明らかなトリッピング。パーフェクトなポジションを取っていたペリト主審にとっては、「Easy Decision」だった。
69分、コーナーキックのポジション取りの中でカルヴァハルがマルセイユGKに頭突きを見舞って一発退場。最終的な当たり具合はそこまで強くなさそうだが、明らかに頭を「振って」いるのは確か。その前に絡まれた伏線があるとしても、容認できない蛮行だ。スロー映像で見ると印象が悪化する(初見よりも悪質な頭突きに見える)のは確かだが、レッドカードは妥当だろう。
ペリト主審は他の箇所の仲裁に入っており、完全に死角での事象。確認できず、VARレコメンドによるOFR(オン・フィールド・レビュー)となったのはやむを得ない。
79分、ヴィニシウスのシュートをブロックしたマルセイユ㉜のハンドを採ってPK。スライディングにいく中でバランスをとるうえでやむを得ない位置だったが、胴体から離れて面積(バリア)が広がっているのは事実。
ボールがディフレクトしたこともあり、やや厳しい判定にはなったが、仮に腕がなければ、ボールがそのままこぼれてレアル側のシュートチャンスだった可能性もある。ノーハンドもありえたシーンだが、個人的にはハンド判定に賛成であり、VARとしても主審の判定をサポートするほかない(明白な間違いはない)事象だった。
リヴァプール vs アトレティコ・マドリード
(Referee: Maurizio Mariani Assistants: Daniele Bindoni、Alberto Tegoni VAR: Marco Di Bello)
34分、フリンポンのクロスをラングレがブロック。マウリツィオ・マリアーニ主審(イタリア)はA2の副審と協議のうえハンドでPKとジャッジするも、VARが介入。OFRの末にノーハンドとなった。
主審の位置からは角度的に見えにくく、かつボールがラングレに当たってからPK判定までやや間があったので、おそらくA2のアルベルト・テゴーニ副審からハンドの助言があったのではないかと考えられる。
リプレイ映像で見ると、接触部位はお腹の辺りだ。ノーハンド判定に異論はないだろう。副審からすると、左手の広がりが気になったものの、距離が遠いので接触部位の見極めを誤ったか。
バイエルン vs チェルシー
(Referee: José María Sánchez Assistants: Raúl Cabañero 、Íñigo Prieto VAR: Carlos del Cerro Grande)
25分、ケインがカイセドに倒されてPK。ケインが先にボールを自らのプレーエリアに置いており、そこに背後からカイセドが絡んだ形。カイセドがボールに届いていない以上は、ファウルだろう。
当初、ホセ・マリア・サンチェス・マルティネス主審(スペイン)はノーファウルっぽいジェスチャーだったが、やや間を置いてPK判定を下した。主審の位置からだと、ケインとカイセドの身体でボールが隠れてしまったところ、A1のラウル・カバニェーロ副審から「カイセドはボールに触っていない」という情報が入ったのかもしれない。よりスムーズに判定できれば理想的だったが、VARの力を借りずにPK判定を導き出したのは評価できるだろう。
89分、パーマーのゴールはVARのOR(オンリー・レビュー)によりオフサイドで取り消し。A1のラウル・カバニェーロ副審としては、ポジションが半歩ずれてしまい見極めに失敗。とはいえ、パーマーは前傾姿勢であり、腕を除く位置を正確に捉えるのは至難の業。「ミス」と責めるのは酷だ。
パリ・サンジェルマン vs アタランタ
(Referee: Sandro Schärer VAR: Bastian Dankert)
41分、クロスに走り込んだマルキーニョスの足をアタランタのユヌス・ムサが踏んでしまいPK。偶発的な接触だとは思うが、足を踏んでいるのは確実であり、かつボールとまったく無関係とも言えない。VARの介入は妥当であり、最終的なPK判定も異論はない。
サンドロ・シェーラー主審(スイス)としては、ヌーノ・メンデスの仕掛けもある場面であり、ボールホルダーにフォーカスするのは自然なことだ。中央の混戦も間接視野では見えていたはずだが、足元の細かい接触を見極めるのは困難。「VARがあってよかった」と割り切るべきだろう。
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