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女性審判団がビッグマッチを冷静に裁く。川俣主審は好判断でゴールを演出。(J1第10節)

J1リーグ第10節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee Topics

状況と選手の意図を見極めて

好判断でゴールを演出。

神戸 vs 湘南

(主審:川俣秀 4th:村井良輔)

80分のヴィッセルの追加点のシーンでは、隠れたナイスジャッジが。神戸ボールのスローインの場面で、神戸が選手交代を用意していたが、川俣主審はプレーを止めず。ここから武藤が素早くリスタートしてゴールへとつながった。

スローインの場面では、第4審が既に交代ボードを掲げており、ここで試合を止めて交代をさせるという運用も十分にありえた。しかし、武藤が素早く再開させようとしている姿を確認し、交代を後回しにして攻撃を続けさせた。選手交代の際はプレーを止めることに意識がいきがちだが、状況と選手の狙いをしっかりと読み取った川俣主審の判断は見事であった。

横浜FM vs 名古屋

(主審:山下良美 副審:坊薗真琴、手代木直美

4th:中村太 VAR:木村博之)

上位同士の直接対決を、主審・副審ともに女性審判員が担当。J1でコンスタントに担当を得ている山下主審に加え、坊薗・手代木両副審もJ2などで経験を重ねてきた実績があるが、それでも「抜擢」と言える割当となった。

なお、第4審はJ1で十分なキャリアを重ねる中村太、VARはこちらも経験豊富な木村博之が担当。万全の体制で女性審判団をバックアップした。

試合は局面で激しい攻防も見られたが、大荒れも誤審もなく終了。縦に速い展開にもしっかりと付いていけており、「問題なし」という出来だろう。グランパスのコーナーキックの場面で試合を終わらせたのは賛否があるだろうが、既に95分を回っており、Possible HandballのVARチェックが終わった時点で試合終了…という判断は一定の妥当性がある。

FC東京 vs 新潟

(主審:清水勇人 VAR:上田益也)

57分、マイケルジェームズと仲川が接触したシーンについてVARが介入。清水主審がOFR(オン・フィールド・レビュー)を行い、ファウルを採ってPKというジャッジになった。

マイケルが遅れてタックルしていること、ボールに触れていないことは明らかなので、ファウルを採ってもおかしくない場面だ。そのあとバングーナガンデが決定機を迎えていたので、アドバンテージを適用するのが妥当には思えるが、このプレー自体はファウルに相当すると考える。

ただ、VARが介入しうる事象だったか…という点だとやや疑問だ。もし「ファウルだがアドバンテージを適用した」という場合には、「ロールバックするか否か」という点は主審の裁量なのでVARは介入しえない。清水主審が「接触はあったがファウルではない」という判断をしていたとすれば、それは明白な間違いとは言えずVARが介入できる余地はほとんどない。

となると、VARが介入できるとすれば、清水主審が「ボールのほうを見ていたので、接触の詳細は確認できていない」ということで「重大な事象の見逃し」としてOFRになった可能性しかないように思われる。ただ、清水主審の角度からすると視野には入っていたはずで、もし本当に見逃しだとすれば見極めのやり方に問題がありそうだ。いずれにせよ、判定自体に違和感はないが、判定に至るプロセスにはやや疑問が残った印象だ。

横浜FC vs 札幌

(主審:谷本涼 VAR:池内明彦)

近藤の先制点のシーンでは、直前の菅野との交錯をファウルと採るかどうか際どいところだったが、近藤の足でのチャレンジのほうが菅野の手よりも若干早く、菅野がボールを保持したとは認められない。ゴールを認めるジャッジを下した谷本主審の判断は問題ないだろう。

各試合の講評

守備再建が急務の横浜FC。

5バックで低めの重心もやむなしか。

横浜FC vs 札幌

開幕からいまだ勝ち星がない横浜FCは、エースの小川に加えてサウロ・ミネイロを先発起用し、2トップ気味の布陣を初めて採用。前線の起点を増やして、攻撃の時間を長くしようという意図が見られる采配だ。

その狙いは早々に奏功し、ミネイロがエリア内で起点を作り、中央に飛び込んだ近藤が先制点をゲット。2トップにしてエリア内に入る人数が増えた効果が出たと言えるだろう。

ただし、結局はそこから4失点を喫して逆転負け。ンドカがスリップして浅野に同点ゴールを許し、そのあとも中央を易々と突破されて失点を重ねた。中盤でのプレッシングは連動性も乏しく全く機能しておらず、ラインがずるずる下がるのでバイタルエリアも野放し状態。個の能力に優れた札幌攻撃陣にあれだけ自由を与えれば大量失点も必然だろう。

2トップにしたことで攻撃面でのプラス効果は見られたが、守備を再建しないことにはどうしようもない。5バック気味にして守りを固めつつ、2トップの個の能力を活かす…など、ある程度は守備に軸足を置いた戦い方が必要なのではないか。現陣容では4バックで耐久できる見込みが立たない。



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