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同じ轍を踏み続けた清水の降格は必然。京都はウタカ不調で打ち手なく。(J1最終節)

J1リーグ最終節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee Topics

キーパーの退場×2。

典型的なDOGSO案件。

神戸 vs 横浜FM

(主審:中村太 副審1:西橋勲 VAR:御厨隆文)

FC東京 vs 川崎F

(主審:山本雄大 VAR:池内明彦)

29分、裏へのボールに走りこんだアダイウトンに対し、チョン・ソンリョンのタックルが遅れて入り、DOGSO(決定機阻止)で一発退場に。GK不在でゴールはがら空きであり、守備側競技者の位置と数については「ジェジエウがいるから満たさない」とはならない。プレーの方向という点ではアダイウトンのラストタッチが外に流れていればSPA(チャンス阻止)という判断もありえたが、直進していたのでかわせばすぐにシュートが打てる状態。DOGSOという山本主審の判断は妥当だろう。

▼類似シーン

なお、APPスタートとなったのは塚川が橘田からボールを奪ったシーンなので、このシーンがファウルかどうかもVARチェックの対象にはなる。背中側から小突いたような形であり個人的にはファウルだとは思うが、「100%ファウル」ではないのでVARが介入するには至らない。

ちなみに、チョン・ソンリョンは2018年のJリーグの浦和戦でも、ほぼ同じ位置&ほぼ同じ状況でファウルを犯して一発退場となっている(そのときの相手選手はアンドリュー・ナバウト、そのときの主審は木村博之氏)。

C大阪 vs 名古屋

(主審:笠原寛貴 VAR:井上知大)

エリア外でハンドを犯したキム・ジンヒョンがDOGSO(決定機阻止)で一発退場に。かわせば無人のゴールに流し込める状況であり、それを手を使って阻んだのでDOGSOになるのは必然だ。縦に速い展開ではあったが、笠原主審は走力を活かしてしっかりと付いていき、サイドにやや開いて角度を確保しつつ近い距離でしっかりと見極めた。

磐田 vs 京都

(主審:谷本涼 VAR:大坪博和)

74分、エリア内でシュートを打とうとしたピーター・ウタカにリカルド・グラッサがチャージし転倒するもノーファウル。やや後方(背中)からのチャージではあったが、いちおう肩同士が接触しており、正当なショルダーチャージと判断するのが妥当だろう。谷本主審はエリア内まで入って近い距離・よい角度で事象を見ており、ノーファウルの判定には説得力があった。

各試合の講評

守備が足枷だったエスパルス。

攻撃がふるわなかったサンガ。

札幌 vs 清水

エスパルスは4失点でコンサドーレに競り負け、自動降格が確定。今節は白崎をトップ下気味に配置し中盤を厚くした4-2-3-1気味の布陣で挑んだ。序盤からインテンシティ高く攻め込んだのはよかったがシュートが決まらずにいると、前半の終盤に先制点を献上。後半はチアゴ・サンタナのスーペルゴラッソを含めて逆転し、同点に追いつかれたもののセットプレーで再度勝ち越し…まではよかったが、残り5分で2失点を喫し万事休すとなった。

今節は今季のエスパルスを象徴する内容であり、なかでも4失点は今季幾度も見受けられたパターンばかり。1失点目は立田がガブリエウ・シャビエルに寄せきれず、2失点目と3失点目は中盤のプレスが後手後手に回ってズルズルと後退。ダメ押しの4失点目は、中盤が戻りきれずにバイタルエリアがポッカリと空いた。同じ過ちを繰り返しては、降格は必然の結果である。

本ブログで再三指摘している「2ボランチの終盤の消耗(交代策で手を打つべき)」に関しては、今節も打ち手はなく、交代策はいつもどおりの「サイドバック、サイドアタッカー、フォワード」の3点セット。今節もホナウドと白崎(前半は2トップの一角でプレーし後半からボランチに)がスタメンフル出場となり、終盤は目に見えて消耗していた。ボランチが戻りきれなかった4失点目はまさしくチームの今季を象徴するシーンであった。

チアゴ・サンタナを中心とした攻撃は今節でもセットプレー含めて3ゴール。序盤は鈴木唯人、中盤以降はチアゴ・サンタナが牽引した攻撃陣は一定の計算ができたが、終盤に一気に強度が落ちる守備がチームの足を引っ張った。ゼ・リカルド体制で戦術的な整備は進んだものの、最後の5試合は1分け4敗。終わってみれば必然の降格となった。

磐田 vs 京都

サンガは結果的には勝てば残留(ガンバが引き分けたので)という状況だったが、1点が遠く降格プレーオフへと回ることになった。開幕当初はピーター・ウタカの好調もあって上位に食い込んだが、36歳の彼がコンディション不良に陥った中盤戦以降は得点力が大幅に低下。曹監督の愛弟子であるキャプテンの松田天馬の離脱が長引いたのも痛恨で、ゴール数はリーグワースト2位に終わった。

一方で38失点はリーグ3位タイであり、神懸かり的なスーパーセーブを見せ続けた上福元を中心に、守備陣は粘り強い守りを見せた。屋台骨である守備が崩れなかった点は大きく、もし残留に成功した場合には、来季に向けて主力級のセンターフォワードの獲得が最優先テーマになりそうだ。

神戸 vs 横浜FM

最終節を勝利で終えたマリノスが3年ぶりの戴冠。第18節で首位に立つと、ほぼほぼその座を譲らずにフィニッシュした。得点、失点ともにリーグトップであり文句なしの優勝と言えるだろう。

際立ったのは各ポジションの層の厚さだ。代えが利かなかったのはGKの高丘くらいで、その他のポジションはレギュラークラスが二人以上存在。特に攻撃陣は多士済々で、アンデルソン・ロペスが唾吐き行為で出場停止となった穴はレオ・セアラが十二分に埋め、ウィングは好調を維持した水沼とエウベルを軸としつつ、仲川や西村も存在感を発揮。ボランチも藤田と渡辺が長足の進歩を遂げ、キャプテン喜田がベンチスタートが多くなるほどであった。

守備陣に目を向けると、畠中のコンディションが整わない中で、中盤以降は本職がボランチの岩田が主軸に。ボランチとしてもフル稼働を続けた岩田はJリーグMVPにも選ばれた。センターバックでは、試合に出るごとに逞しさを増した角田に加え、序盤戦はマリノスのハイテンポなサッカーへの適応に苦戦したエドゥアルドも中盤以降は徐々にフィット。持ち味のフィードとセットプレーでの強さを発揮し、ティアゴ・マルチンスの幻影を終盤にして払拭した。

そして優勝の立役者としてはマスカット監督を挙げないわけにはいかない。ポステコグルー前監督が築いたアタッキングフットボールを継承しつつ、早めの選手交代やターンオーバーなどを使いながら、各ポジションをきっちりと底上げ。控えも含めて戦術を浸透させモチベーションを維持させた手腕は卓越していた。戦術的に際立った才があるわけではないが、豊富な人材を使いこなす点に関しては優れた手腕を発揮した。



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