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松本泰志は得点者なので意図に関係なくハンド。ポイントはゴールインのタイミングのみ。(J1第1節)

J1リーグ第1節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

木村博之主審の鮮やかな

レフェリングが開幕戦を彩る。

G大阪 vs C大阪

(主審: 木村博之 VAR: 池内明彦)

7分、セレッソの先制シーンでは、北野のシュートの前に香川がエリア内で倒れるも、アドバンテージを適用。木村主審は笛を口元に持っていきPKジャッジ寸前だったが、北野がシュートを打とうとしている様子を確認し、冷静にプレーを続けさせた。

木村主審は個人的にはポジショニングの上手さが日本一だと思っており、特に縦に加速した展開において角度をうまく作りながら追走するのが非常にうまい。今回もセレッソの攻撃の加速にしっかり付いていきながら、サイドに突っ込みすぎず冷静に視野を確保。よいポジションで見ていたからこそ、ファウルの有無もその後の状況もしっかり把握することができた。

神戸 vs 浦和

(主審: 荒木友輔 副審: 渡辺康太、西村幹也 VAR: 池内明彦)

81分、レッズがコーナーキックから混戦の中で押し込んでゴール。当初はゴールが認められたが、VARが介入。OFR(オン・フィールド・レビュー)の末に、レッズの松本のハンドを採ってゴール取り消しとなった。

今回のハンド判定のポイントは2つだ。

ボールがゴールラインを越えていたか、越えたとすれば、いつ越えたか

松本の行為はハンドに値するか

まず1点目について順を追って見ていこう。

ホイブラーテンのヘッドがポストに当たって跳ね返った時点ではライン上にあり、それをヴィッセルの前川が掻き出しているので、この時点ではゴールインではない。

次に、前川が掻き出したボールがトゥーレルに当たってゴールに入りかけるが、ラインを完全に越えるよりも前に松本の腕に当たり、松本の腕に当たりながらゴールラインを完全に越えた…というのがゴールラインカメラの映像から得られる情報だ。

そうなると、実は2点目の判断は非常に簡単だ。この場合は、松本は「得点者」になるので、意図があろうとなかろうと腕に当たっていればハンドだ。意図的かどうかはジャッジに必要な要素ではなく、松本の腕にボールが当たったタイミングのみがポイントになる。

つまり、「ボールが松本の腕に当たった時点でゴールラインを越えていない」「ボールが松本の腕に当たった後にゴールラインを越えた」という2点が映像で確認できれば、主観的な判断なくしてゴールは取り消しになる。

厳密に言えば「ファクト」に近い判断にはなるので、VARのOR(オンリー・レビュー)によりゴールを取り消すこともルール上はできるが、Jリーグではハンドによるゴール取り消しはOFRをしたうえで判定変更するというVAR運用を行っており、荒木主審がOFRする形になった。(まぁ、一般的な感覚として、これを映像を見ずに取り消すのは納得感が得られないだろうから、OFRをするのが正解だろう)

開幕戦屈指のビッグゲームの終盤のプレーということで大きな話題にはなっているが、審判団の判定は十分に妥当性があり、納得できるものであったと考える。そして、A2の西村副審にとっても、荒木主審にとっても混戦での見極めは非常に困難なミッションだった。

川崎F vs 名古屋

(主審: 高崎航地 副審: 野村修、岩崎創一 VAR: 岡部拓人)

58分、フリーキックからフロンターレの高井がヘディングで先制点。オフサイドラインぎりぎりでの飛び出しで、A2の岩崎創一副審はオンサイドと判定し、VARチェックは2分近くかかった(ゴールが57分25秒あたり~VARチェック完了が62分00秒。約4分半かかっている)が、結果的にゴールを認めた。

DAZN映像ではオフサイドに見えたが、そもそもキックの瞬間から若干遅れた時点で止めた映像にも見えたのが気になるところ。ポイントオブコンタクトの瞬間の映像でないと意味がなく、コンマ数秒ずれるだけでオフサイドラインは大きく異なる。

いささか「アバウトな」映像が繰り返し出されたことで、視聴者(実況解説含め)に現実とズレがある印象を与えたようには感じるので、このあたりは中継の質を求めたいところだ。

ただ、オフサイド以外にチェック項目が見当たらないこの事象において、チェックに5分弱を要するのはやや時間をかけすぎだと感じる。もちろん高井のオフサイドチェックだけでなく、おそらくは確実にオフサイドポジションだった脇坂がプレーや相手競技者に関与したかなどもチェック対象だが、それにしても時間がかかりすぎには思える。

可能性としては、VAR担当審判とリプレイオペレーターの人為的な問題かもしれないし、はたまた機材トラブルの類があったのかもしれない。いずれにせよ、寒空のもとで後半の中盤に選手が5分近く待たされるのは理想的な状態ではなかった。

横浜FM vs 新潟

(主審: 福島孝一郎 VAR: 山本雄大)

75分、こぼれ球に駆け寄った宮本だったが、遠野の切り返しに逆をとられ、残した足はボールに届かず。トリッピングでファウルを採られてPKとなった。福島主審としてはポジショニングとしてはベストではなかったが、ボールと足の関係性にフォーカスして冷静に見極めた。

福岡 vs 柏

(主審: 小屋幸栄 VAR: 先立圭吾)

アビスパの志知が24分、85分と2枚の警告を受けて今シーズンの退場処分第1号となった。1枚目はカウンターの場面でドリブラーに手をかけて阻止、2枚目は勢い余ってアフターで足首にタックル…と、いずれも妥当な警告であった。

なお、小屋主審が志知に2枚目の警告を提示しようとした際、アビスパ福岡の複数の選手が主審に対してアピールを行っていたが、あのような審判員への圧力は厳罰化の流れが昨今強まっており、もし今季のCLであれをやったら詰め寄った全員が警告を提示されたことだろう。今回は言い訳の余地のない警告であったし、無用なアピールは控えた方が賢明だ。



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