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山下良美主審率いる日本人審判団が、開幕戦の大役を全う。(女子W杯-GL第1節)

女子ワールドカップ2023のグループステージ第1節。注目の判定をピックアップし、簡単に講評する。

Referee Topics

ニュージーランド vs ノルウェー

Referee:

Yoshimi Yamashita (Japan)

Assistant referees:

Makoto Bozono (Japan)

Naomi Teshirogi (Japan)

Video Assistant:

Tatiana Guzmán (Nicaragua)

大会全体の基準を示すことになる開幕戦の大役を担ったのは、日本人の審判団。カタールワールドカップにも派遣された山下主審を筆頭に、J1でも実績を積む坊薗・手代木の両副審が揃い踏みとなった。

大きなジャッジとなったのは88分。ニュージーランドのクロスがノルウェーDFの腕に当たり、OFR(オン・フィールド・レビュー)の末にPKが与えられた。リプレイ映像で見れば、腕が胴体から離れてやや広がっており、ハンドを採るのは妥当だろう。

山下主審としてはポジション修正を図っていたが角度を作る動きが間に合わず。「おそらく当たっただろう」という認識はありつつも、腕にボールが当たったことを明確に確認できず…だったと思われる。A2の手代木副審としても、オフサイドの見極めにフォーカスするシーンであり、腕に当たった事象には焦点を合わせづらかったか。

なお、このシーンではOFRののちに判定変更の旨を場内でアナウンスする試みが導入された。観客などに判定について説明するという趣旨自体はよいと思うが、「Decision is penalty!」の時点で場内が沸いてしまい、そのあとの事由の説明(ハンドによる反則を採ったこと)がかき消されてしまった印象だ。最終判定がPKであることは再開時に明らかに伝わるので、場合によってはわかりづらい「事由」のほうを先にアナウンスしたほうがよいのではないか。

オーストラリア vs アイルランド

Referee:

Edina Alves Batista (Brazil)

Assistant referees:

Neuza Back (Brazil)

Leila Moreira da Cruz (Brazil)

Video Assistant:

Daiane Muniz dos Santos (Brazil)

50分、オーストラリアのクロスに対し、走りこんだオーストラリア⑯をアイルランド⑳が倒してPK。⑯の動き出しに対して遅れる形となり、慌てて対応した結果、背中側からのプッシング…という典型的なファウルのパターンであった。アルヴェス主審は、接触の有無だけでなく程度も見極められるベストポジションをとっており、判定には説得力があった。

ナイジェリア vs カナダ

Referee:

Lina Lehtovaara (Finland)

Assistant referees:

Chrysoula Kourompylia (Greece)

Karolin Kaivoja (Estonia)

Video Assistant:

Pol van Boekel (Netherlands)

90+6分、ナイジェリア⑬のタックルがカナダ⑩に遅れて入ったシーンがVARチェックの対象に。当初はアドバンテージ適用+アウトオブプレー時に言えろカードという判定だったが、OFRの末にレッドカードに判定が変更された。

リプレイ映像で見ると、足裏が脛あたりにヒットしており、勢いもかなりついているので接触強度としても非常に高い。骨折などの大怪我のリスクがあるプレーであり、レッドカードという判定に異論の余地はないだろう。

レヘトヴァーラ主審としては、かなり勢いのあるアフタータックルという認識はあったものの、接触部位までは見極めきれなかったか。第4審のほうが角度としては見極めやすかったかもしれない。見極めの難度はそれなりに高かったが、悪意はないとはいえかなりのラフプレーであり、VARなしで見極めたい事象ではあった。

フィリピン vs スイス

Referee:

Vincentia Amedome (Togo)

Assistant referees:

Carine Atezambong Fomo (Cameroon)

Fanta Kone (Mali)

Video Assistant:

Drew Fischer (Canada)

42分、クリアを試みたフィリピン③と足を伸ばしたスイス⑪がエリア内で接触。当初はノーファウル判定だったがVARが介入し、OFRの末にスイスにPKが与えられた。

私も初見の印象としては、「③のキックに⑪が巻き込まれた」ように見えたが、リプレイ映像で見ると、フィリピン③はボールに触ることができず、カナダ⑪の足を蹴り飛ばす形になっている。ボールと足をもろとも蹴っていればノーファウルもありえたが、ボールに触れていない以上はファウルを採るのが妥当だろう。

アメドメ主審は比較的近い位置で見ていたはずだが、選手同士が重なったこともあり、「ボールに触れたかどうか」を見極めきれなかったか。

スペイン vs コスタリカ

Referee:

Casey Reibelt (Australia)

Assistant referees:

Ramina Tsoi (Kyrgyzstan)

Xie Lijun (China)

Video Assistant:

Marco Fritz (Germany)

スペイン⑲がエリア内で仕掛けたところで、コスタリカ⑳と接触。レイベルト主審はこれをファウルとジャッジしてPKを与え、VARも介入せずジャッジ確定となった。

コスタリカ⑳が遅れて足を出したこと、接触があったこと自体は確かだが、個人的にはスペイン⑲が「ファウルをもらいに行った」印象が強い。ボールタッチも明らかに大きくなっており、倒れ方からもプレーを続けようという意思が感じられない。

よって個人的にはノーファウルが妥当だと考えるが、接触がある以上はファウルという判定が「明確な間違い」とは言えず、VARの介入は難しいだろう。また、もし主審がノーファウルとしていた場合も、VARはおそらく介入しない。それくらい微妙な判定であった。



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