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西村雄一主審、勇退。身の丈をふまえた的確なポジショニングは最後まで健在。(J1第38節)

J1リーグ第38節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

審判Topics

穏やかな最終節。

大きな判定は少なく、有終の美。

浦和 vs 新潟

(主審: 西村雄一)

ワールドカップ2大会、Jリーグ通算でも682試合を担当した西村雄一主審が今季限りでの勇退となり、この試合がラストマッチとなった。

走力自体はずば抜けて高いわけではなかったが、高いコミュニケーション能力と優れたポジショニングを活かして国内外で25年にわたって活躍。特にポジショニングは、角度の作り方が非常にうまく、致命的な見逃しや大きな誤審はほとんど記憶にない。

この試合でも、後半、興梠が抜け出してGKと1対1となった場面で、外に膨らむのではなく、中央寄りで角度を作って見極めようとした動きを見せるなど、自身の状況・走力をふまえて「可能な限りで最適なポジション」をとることに長けていた主審だった。

勇退後はJFA審判マネージャーになるとのことで、これからは後進の育成に貢献いただけるようだ。高いコミュニケーション能力と言語化能力を今後も存分に発揮いただき、さらなる活躍を期待したい。

札幌 vs 柏

(主審: 山本雄大 VAR: 中村太)

40分、GKからのロングボールに抜け出した細谷が岡村に競り勝って前進しゴール。ここでVARが介入し、OFR(オン・フィールド・レビュー)が行われた結果、細谷のファウルを採ってゴール取り消しとなった。

当初、山本主審はおそらくショルダーチャージだと捉えたと思われるが、厳密には細谷の肩と岡村の背中が当たる形になっており、正当な競り合いではない。少しの部位の違いではあるが、チャージの正当性に大きく影響するので、VARが介入したことは妥当。最終ジャッジとしてもファウルを採るのが妥当だろう。

なお、バランスを崩した岡村は結果的に地面に頭を打ちつける形になったが、これは偶然の結果でありファウル判定には影響しない。もちろん負傷に繋がるリスクなどは考慮したうえでプレーする必要はあるが、今回の場合、細谷のチャージはそこまで悪質さはないので、それをファウル判定・懲戒罰に繋げる必要はない。

京都 vs 東京V

(主審: 川俣秀 VAR: 池内明彦)

15分、翁長のロングボールを山見が収め、そのままドリブルからゴール。しかしVARが介入し、OFRの結果ハンドでゴール取り消しとなった。

山見は得点者なので、やや長めのドリブルは入ったものの、一連の流れで物理的に腕に当たっていればハンドになる。欧州では「物理的に当たっているかどうか=ファクト」と捉えてOFRなし(VARのオンリー・レビュー)となるが、Jリーグではハンド判定はOFRしたうえで変更…という運用を採っており、OFRを経てのジャッジとなった。

なお、今回は右腕を使って明らかにボールを扱っており、もし得点者でなくても、意図的な部分でハンドを採られた可能性が高い。



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