EURO決勝担当のルテクシエ主審、ハンドの見極めに失敗。各国の次世代が揃い踏み。(CL第2節)
チャンピオンズリーグのMatchday2。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。
Referee topics
高難度のオフサイド見極め成功。
ハンドは見極め失敗。
ザルツブルク vs ブレスト
(Referee: Anthony Taylor VAR: Stuart Attwell)
10分、コーナーキックからザルツブルクが先制するも、VARが介入。テイラー主審がOFRを行った末に、ザルツブルクのオフサイドがあったことが確認され、ゴール取り消しとなった。
リプレイ映像で見ると、ブレストDFに当たったボールが、倒れていたザルツブルク⑥に当たり、そのあとにゴールに吸い込まれていることが確認できる。また、ザルツブルク㉗はブレストGKの目の前に立っており、ブレストGKの視界を遮り、明らかに影響を与えている。
ブレストDFに最初にボールが当たった時点ではオフサイドは成立しないが、ザルツブルク⑥にボールが当たった時点で(それが偶発的なものであったとしても)オフサイドが成立しうる。その時点でオフサイドポジションにいたザルツブルク㉗がブレストGKに影響を与えているので、オフサイド。難しい判定ではあるが、ゴール取り消しは妥当な判断だ。
もし仮に、ザルツブルクの選手に当たらないままボールがゴールに吸い込まれた際には、オフサイド成立の起点となる攻撃側選手のボールタッチが存在しないため、オフサイドも成立しない。ザルツブルク⑥が倒れ、そこにボールが当たったという偶然が両チームの明暗を分ける結果となった。
ライプツィヒ vs ユヴェントス
(Referee: François Letexier VAR: Jérôme Brisard)
57分、オペンダの抜け出しに対してエリアの外に飛び出してパスカットしたグレゴリオのプレーがVAR介入の対象に。当初はノーファウル判定だったが、VARレコメンドによるOFR(オン・フィールド・レビュー)の結果、エリア外でボールを手で扱ったことが確認され、ファウルで直接FK&グレゴリオはDOGSO(決定機阻止)で一発退場になった。
映像を見ればエリア外でのハンドは明らかで、オペンダがGKをかわせていれば無人のゴールに流し込むのみ…という状況なので、DOGSOでレッドカード。手に触れたのがわずかなので肉眼での見極めは難しかったが、映像であれば「Easy Decision」だ。
そして、それで得た直接フリーキックの場面で、シュートがドゥグラス・ルイスの腕に当たってPKに。こちらも当初はノーハンド判定で、VARが再び介入してのOFRでの判定となった。
ドゥグラス・ルイスが顔をそむけつつ腕を出し、その腕にボールが直撃した形。体の幅より露骨に広がってはいないものの、腕の位置は自然なものとは言えず、ハンドを採らざるを得ないだろう。
疑問が残るのはなぜルテクシエ主審がハンド判定を下せなかったか。ポジショニングは完璧で、ドゥグラス・ルイスの腕の位置やボールの当たり方もばっちり見えたはずだが、なぜかVARのお世話になることになった。トップレベルとしては見極めたいレベルの判定だったと感じる。
ドルトムント vs セルティック
(Referee: José María Sánchez Martínez VAR: Carlos del Cerro Grande)
6分、豪快なドリブル突破でエリア内に侵入したギッテンスに対して、シュマイケルが飛び出して阻止を図るも、交錯してファウルでPK。GKが飛び込んだところ、鼻先でボールを触って方向を変え、そのままGKが衝突…という「ありがちな」パターンだ。
39分には、エリア内の浮き球に対し足を出したエンゲルスが、同じく足を出したアデイェミの足を蹴ってしまい、二度目のPK。アデイェミが先にボールを触り、エンゲルスが足を出したときに残っていたのはアデイェミの足だけだった。こちらも「ありがちな」パターン。
カルロス・デル・セロ・グランデ(この試合ではVAR担当)とアントニオ・マテウ・ラオスのスペイン両雄が主審としては引退した今、スペイン審判界を背負うのは41歳のマルティネスと40歳のヘスス・ヒル・マンサーノだろう。ひとまずこの試合では、マルティネスが的確な見極めを見せて評価を上げた。
ジローナ vs フェイエノールト
(Referee: Urs Schnyder VAR: Fedayi San)
35分、自陣ゴール前でティンバーにインターセプトを許したイヴァン・マルティンがたまらずファウル。状況は完全にDOGSOだったが、ボールに対するプレーであり、かつエリア内なので、懲戒罰は一段階下がってイエローカード。懲戒罰含めてスムーズかつ的確な対応だ。
66分、GKベレンロイターがボールをこぼしたところで、背後からミオフスキーが「割り込む」ような形でボールをさらったところ、GKが勢いそのままでミオフスキーに接触してPK献上。DFのクリア時にもよくある「忍び寄って横入り」のパターンで、死角から相手が出てくるのでかわいそうな部分はあるが、ボールに先に触られ後れを取った以上、ファウルを採られるのはやむを得ない。
前半のシーンはビルドアップ時のミスであり主審としては逆をとられやすい場面だし、後半のシーンもGKがいったんキャッチしたように思えるので自然と気が抜けやすい場面だったが、いずれも冷静かつ毅然と判定を下した。これがCLデビュー戦となったウルス・シュナイダー主審の見事なレフェリングだった。
リール vs レアル・マドリード
(Referee: Maurizio Mariani VAR: Daniele Chiffi)
44分、リールのジェグロヴァのフリーキックがカマヴィンガの左腕にヒット。当初はノーハンド判定だったが、VARレコメンドによるOFRの末にPK判定となった。
メインスタンド側から見ると比較的明らかだが、マリアーニ主審の角度だとカマヴィンガ自身で腕が隠れる形になってしまい、見極めはそれなりに難しい(ただし、マリアーニ主審のポジショニングはフリーキック時のセオリー通りで間違いではない)。
が、腕が上がる正当性はなく、映像で見ればハンド判定を下すのにそこまで手間はかからない。
ベンフィカ vs アトレティコ・マドリード
(Referee: Serdar Gözübüyük VAR: Pol van Boekel)
49分、ベンフィカのパブリディスがエリア内で囲まれながらも前進した末に転倒。当初はノーファウル判定だったが、VARレコメンドによるOFRの末、ギャラガーのファウルを採ってPKとなった。
リプレイ映像で見ると、ギャラガーがパブリディスの足を踏んでいることが確認できる。故意ではないと思われるが、足を踏んで前進を妨げた以上はファウルだ。流れの中での偶発的なものであり、セルダル・ギョジュビュユク主審としてはホールディングなど上半身にもフォーカスする中での事象なので、見極めは難しい。「VARがあってよかった」案件だ。
一方、82分のPKはアマドゥニのドリブルでの前進に対し、ヘイニウドがコース上に足を出し、それがアマドゥニの転倒の原因になる…という典型的なトリッピング。こちらの見極めは比較的容易で、VARなしでの見極めに成功した。
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