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トゥルパン主審の冷静なジャッジ再び。マンサーノ主審率いるスペイン審判団も◎。(CLプレーオフ)

チャンピオンズリーグの決勝トーナメントのプレーオフの1stレグ。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee topics

PK多発も、すべて妥当。

マンチェスター・シティ vs レアル・マドリード

(Referee: Clément Turpin VAR: Jérôme Brisard)

77分、フォーデンの突破をセバージョスが止めてPK。エリアの外か内かは際どかったが、フォーデンの細かいボールタッチに対して完全に遅れてチャージにいっており、ファウルであることは間違いない。接触が起こった場所はライン上からエリア内にかかる場所であり、PK判定は適切だろう。

プレーオフ屈指の大一番を任されたクレマン・トゥルパン主審(フランス)は、試合を大きく左右する終盤でも落ち着きを忘れず。フォーデンのドリブルでの仕掛けを想定した的確なポジショニングで、接触の程度と場所を見事に見極めた。一般的には事象に近づいて判定することが是とされることが多いが、今回はプレーに寄りすぎると場所(エリアの外か内か)がわかりにくくなる状況であり、距離を保って角度を作った判断も的確だった。

クラブ・ブルッヘ vs アタランタ

(Referee: Halil Umut Meler VAR: Pol van Boekel)

同点で迎えた90+1分、エリア内でアタランタのイサク・ヒエンとブルッヘのグスタフ・ニルソンが接触。ハリル・ウムト・メレル主審(トルコ)はヒエンのファウルを採ってPKを与え、VARも介入せずジャッジ確定となった。このPKがブルッヘの決勝点となったため、試合結果に直結する大きなジャッジとなったのは間違いない。

ボールに向かう際の競り合いで、ヒエンがブロックを試みた右手がニルソンの顔に当たっているのは確かだ。「振った」わけではないのでそこまで強さはなく、かつニルソン側が先に手を若干かけており、それに対抗しただけには見える。ただ、顔のあたりに当たっている以上はファウルを採られる可能性は十分にある。例えば、ニルソンの体が沈み込んだことで顔に当たってしまった(本来は顔より下に当たるはずだった)などであれば酌量の余地もあるが。

メレル主審は接触が見えやすいポジションをとっており、手が顔に当たったことははっきり見えたであろう位置だった。だからこそ自信をもって判定を下したのだろう。個人的にも明白な接触がある以上、ヒエンのプレーの正当性を主張するのは難しく、かわいそうな部分はあるがファウル妥当と考える。

セルティック vs バイエルン

(Referee: Jesús Gil Manzano Assistants: Diego Barbero Sevilla、Ángel Nevado Rodríguez VAR: Carlos del Cerro Grande)

開始35秒、キューンがカットインからの左足一閃でゴールネットを揺らすも、オフサイド判定でゴール取り消しに。ノイアーの目の前でボールをジャンプして避けたFWがオフサイドポジションだった。シュートコースに入っており、かつノイアーの目の前でジャンプ…となると、相手競技者に影響を与えたと判断するのが妥当だろう。

ゴール後しばらくしてから笛が鳴ってオフサイドを採ったが、これはA1のディエゴ・バルベロ・セビージャ副審の「オフサイドポジションにいた」という見解と、ヘスス・ヒル・マンサーノ主審(スペイン)の「相手競技者に影響を与えた」という見解を擦り合わせたうえでジャッジを下したためと考えられる。ラインジャッジが非常に際どかった点も含め、審判団として見事なジャッジだった。

53分には、エリア内でエンゲルスが倒れるも、A2のアンヘル・ネバド・ロドリゲス副審の旗が上がりオフサイド判定に。しかしここでVARが介入。エンゲルスとウパメカノの接触について、マンサーノ主審がOFR(オン・フィールド・レビュー)でチェックしたが、結果的にはノーファウル判定での再開となった。

判定プロセスとしては、エンゲルスがオフサイドか否かのジャッジはVARのOR(オンリー・レビュー)により解決し、今回はオンサイドで確定。そのうえでファウルか否かは主観的な判断なので、OFRによる判定となった。

マンサーノ主審はOFRの際に「ボールにどちらが触れたか」という点を繰り返し確認していたが、私もそこは重要なポイントだと考える。ウパメカノがエンゲルスの足を最終的に踏みつける形になっているのは間違いない一方で、その前にボールに触れたのはウパメカノのほうであり、ウパメカノにもプレーの正当性は一定あると捉えられる。最後(踏み付け)だけを切り取るとファウルだが、そこまでの流れ・プロセスをふまえると、ノーファウル判定は妥当であると思う。

なお、今回はオフサイド判定は誤りだったことを確認したので、当初与えられていた間接フリーキックによる再開にはならない。PKに関するVARチェックの結果としてノーファウル判定…ということで、プレーが止まった地点からのドロップボールでの再開となる。

終盤の79分、前田大然のゴールシーンはA2のロドリゲス副審にとって際どい判定に。前田はオーストン・トラスティーがニアでヘディングした際にはオフサイドポジションで、そのあと旗手玲央がボールに触れたときには、トラスティーと競り合ったケインが最終ラインになったのでオンサイドの位置になっている。前田の動きをしっかり把握すると同時に、旗手がボールに触れたかどうかを(おそらくはマンサーノ主審としての連携により)見極めるという難しい局面になったが、見事にやり遂げた。

モナコ vs ベンフィカ

(Referee: Maurizio Mariani VAR: Daniele Chiffi)

2分、オタメンディとの接触でエムボロが倒れるもノーファウル。ボールに向かって足を伸ばしたオタメンディだったが届かず、そこにエムボロが突っ込んできて交錯する形。接触をイニシエートしたのはエムボロ側だと捉えられるので、ノーファウルで問題ないだろう。

52分、モナコのアリ・エルムスラティが2枚目の警告で退場に。他の選手へのファウルに対しジェスチャーを交えて主審にカード提示を主張したことがイエローカードの対象になった。

本ブログでも何度か言及しているが、今季は審判団への異議・抗議は厳格な基準が敷かれており、特にキャプテン以外が判定に対するアピールをすることは即カードの対象になることも多い。今回も以前の基準からすると「すぐにカードを出しすぎ」という感じだったが、今季の基準に照らすと不自然なものではない。

ブレスト vs パリ・サンジェルマン

(Referee: Irfan Peljto Assistants: Senad Ibrišimbegović、Davor Beljo VAR: Tomasz Kwiatkowski)

17分、エリア内の混戦からデンベレが打ったシュートがブレスト⑳の右腕に当たってPKに。イルファン・ペリト主審(ボスニア・ヘルツェゴビナ)は非常によいポジションにいたが、手前に選手が複数いたこともあり、重なって見極めきれなかったか。結局VARレコメンドによるOFR(オン・フィールド・レビュー)での判定となった。

ハンドであることはほとんど議論の余地がないだろう。シュートブロックの場面であり、胴体から離れた右腕に当たってしまえば、ハンドを採られるのは致し方ない。

50分、デンベレのスルーパスにバルコラが抜け出し、最後はドゥエが流し込むも、VARのOR(オンリー・レビュー)によりオフサイド。A2のダヴォル・ベリオ副審としては一気に縦に局面が進んで際どいラインジャッジとなった。



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