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「視野を広く確保すること」と「細かく正確に見ること」のバランスは審判の悩みの種。(CL第6節①)

チャンピオンズリーグのMatchday6。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

Referee topics

リトアニアの33歳主審。

今後活躍の予感。

ジローナ vs リヴァプール

(Referee: Benoît Bastien VAR: Benoît Millot)

59分、エリア内でこぼれ球に反応したルイス・ディアスが転倒。当初はノーファウル判定だったが、VARが介入しOFR(オン・フィールド・レビュー)に。ブノワ・バスティアン主審(フランス)がOFRを行い、PK判定となった。

ルイス・ディアスの背後から足を伸ばしてボールに触れようとしたファンデベークだったが、ルイス・ディアスの左足を踏んでしまい、スパイクが脱げる形に。おそらく意図しない接触だとは思うが、踏んでしまった以上はファウルを採らざるを得ない。

バスティアン主審としては、ファンデベークがボールに向けて伸ばした右足とルイス・ディアスの接触にフォーカスしていたと考えられ、左足同士の接触は明確に確認できなかった可能性が高い。視野には入っていたはずだが、あの場面ではボールに近いほうの接触を集中して見るのは当然だ。審判として、「視野を広く確保すること」と「細かく正確に見ること」のバランスは常に難しい。

アタランタ vs レアル・マドリード

(Referee: Szymon Marciniak VAR: Tomasz Kwiatkowski)

45+1分、ドリブルで持ち上がったコラシナツをチュアメニが倒してPK。チュアメニは足を出すのを止めたものの、コラシナツの残り足に接触してしまい、それによりコラシナツの足がもつれて転倒。接触自体はそこまで強いものではないが、スピードに乗った状態では些細な接触も転倒につながる。ファウル判定は妥当だろう。

場所はゴール前で守備側のカバーはおらず、抜けていればGKと1対1でシュートが打てる状況なので、DOGSO(決定機阻止)になる。エリア内でのボールに対するチャレンジなので、懲戒罰は一段階下がってイエローカード。

シモン・マルチニアク主審(ポーランド)としては、距離は近かったものの角度が串刺し気味で接触の程度は見にくいポジションだったが、結果的には見極め成功。笛のタイミング、毅然とした態度、カード提示…という流れはスムーズだった。(私があのポジションで判定した場合にはあそこまで自信たっぷりの態度は取れないと思う…)

シャフタール・ドネツク vs バイエルン

(Referee: Halil Umut Meler VAR: Fedayi San)

66分、コーナーキックをムシアラがボレーで叩き込むも、ハリル・ウムト・メレル主審(トルコ)はテルのGKに対するファウルを採ってゴールを認めず。VARチェックも行われたが介入はなく、そのままファウルでジャッジ確定となった。

ハイボールに対してGKが飛び出そうとしたところをテルがブロックしているように見えるのは確かで、それをファウルと捉えるかどうか…が判断ポイント。どっちとも採れる接触なので、VARが主審の判定に疑義を唱えるのは難しく、VAR介入はどっちにしろナシだったはずだ。(逆にノーファウルでゴールを認めていてもVARは介入しない)

個人的にはノーファウル寄りの意見を持っている。手を使って押したわけではない(わざわざ手を後ろで組んでいる)し、進路を塞いだ…といってもそこまで露骨なブロッキングではない。これでファウルを採ると、GKの周りに存在すること自体が難しくなるレベルに感じるので、ノーファウルでゴールを認めるべきだったというのが個人的な見解だ。とはいえ、繰り返しになるが「どっちとも採れる」ので、メレル主審の判断も誤りとは言えない。

直後の68分にはバイエルンにPK。サシャ・ボエがシュートを打ったあと、スライディングでブロックを試みたグラムが遅れて接触し転倒につながった。意図したものではなく「止まりきれず勢いあまって」だとは思うが、足を払う形になっているのでファウルを採るべきだろう。「シュートを打った後だから…」というのは酌量にはつながらず、遅れてスライディングが入ったという点をもってファウルとすべきと考える。

アトレティコ・マドリード vs ŠKスロヴァン・ブラチスラヴァ

(Referee: Manfredas Lukjančukas VAR: Christian Dingert)

49分、クロスに対して走り込んだダビド・ストレレツに対し、クリアを試みたラングレが接触。当初はノーファウルだったが、VARレコメンドによるOFRを経て、PK判定となった。

ストレレツはラングレの背後から走り込んだため、ラングレは途中まで認識できておらず、土壇場で足を止めようとしたものの接触してしまった。まさしく「不用意な」ファウルといえる。

マンフレダス・ルキャンチュカス主審(リトアニア)としては、ボールにフォーカスするであろう場面で、ボールの行方も追う中で接触にフォーカスしきれなかった可能性が高い。もともとあのエリアでの接触は選手自身の体で足が隠れがちで、主審からは見えづらい。A2なら見えた可能性はあるが、そこまで明確な接触ではないのでA2を責めるのは酷だろう。努力の余地があるとすれば、主審が中央寄りのポジションから少し左右にずれて角度が作れていれば…くらいか。

現在33歳と若くしてCLに辿り着いたルキャンチュカス主審。審判へのプレッシャーが強く、プレー面も激しくなることが多いアトレティコの試合を担当…というのは、UEFAの期待の表れだろう。いわゆる強豪国とは言えないリトアニア国籍ということで、メジャートーナメントで母国の勝ち上がりを気にする必要なく割当ができる場合が多いので、そのぶん活躍の可能性は広がる。CLで実績を積み上げて今後の飛躍に期待だ。

ドルトムント vs バルセロナ

(Referee: François Letexier Assistants: Cyril Mugnier、Mehdi Rahmouni VAR: Dennis Higler)

58分、クロスに対して中央でポジション争いをしていたギラシが倒れてPK。前に一歩出たギラシをクバルシが背中側から押す形になっており、明らかなプッシング。ファウル判定は妥当だろう。

Matchday5のリヴァプール vs レアル・マドリードに続いて2節連続でビッグマッチを任されたルテクシエ主審。今回はリプレイ映像で見ると、プッシングがあった瞬間にはクロッサーのほうを見ており、プッシング自体は確認できていなかった可能性が高い。笛のタイミングが若干遅れたこともふまえると、おそらくプッシングが見えやすかったであろうA2のメディ・ラフムーニ副審からの進言があったのではないか。いずれにせよ、チームとして適切な判定を下せているので、問題はない。



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