グループA展望:開幕戦が早くも天王山。セネガルはマネ離脱が痛恨。(カタールW杯)
カタールW杯グループAの行方を展望する。
カタールW杯グループA
四つ巴の大混戦もありうる。
カタール
(初出場)
エクアドル
(2大会ぶり4回目)
セネガル
(2大会連続3回目)
オランダ
(2大会ぶり11回目)
四つ巴の大混戦もありうる。
開催国がポッド1(=強豪)扱いとなるため混戦になることも多いグループAだが、今回も混戦が予想される。総合力やタレント力ではオランダが優位とはいえ、他の3チームもそれぞれ強みを持っており、四つ巴になる可能性すらある。
個人的にはオランダおよびカタールの勝ち抜けを予想したい。ファン・ハールのもとで手堅いチームに仕上がったオランダは強豪相手に通用するかどうかはさておき、グループステージでの躓きは考えにくい。
開催国のカタールはサンチェス監督が育成年代から時間をかけて作り上げたスペイン式の戦術が浸透してきている。純粋なタレント力では大きく劣るものの、開幕戦で波に乗れれば、国内の盛り上がりを追い風にして一気に勝ち抜ける可能性がある。
セネガルは現アフリカ王者だが、エースのマネが負傷によりW杯出場を断念したのが大きいとみる。タレント揃いのチームの中でも唯一代えの利かない存在であり、崩しからフィニッシュの局面でのクオリティ低下は不可避だ。
むしろ可能性がまだあるのはエクアドルか。カタールの気候は南米と似ているという点で難なく順応するだろうし、カイセドやエストゥピニャンなど機動力に優れた選手を擁し、粘り強い守備と速攻を軸にした戦術は一定の完成度がある。開幕戦に勝てればカタールに代わってオランダの対抗馬に躍り出るポテンシャルを持っている。
守備陣の陣容は世界屈指。ストライカー不在の不安はあるものの、オランダの勝ち抜けは固いか。
本命と目されるオランダは2018W杯、EURO2020と続いた失態を乗り越え、名将ファン・ハールのもとで復活を遂げた。欧州予選は危なげなく突破したように、ファン・ハールのチームらしくバランスがとれた陣容・戦術に仕上がっている。
守備に関しては、デリフト、アケー、ファン・ダイクから成る最終ラインは、有望株のティンベルや実力者のデフライがベンチに控える世界屈指の陣容だ。高さと強さがあり、単純なクロスやセットプレーからの失点は少ない。ハイラインを敷いた際には裏抜けを許すことはあるが、そもそもチームとしての重心は低めで、プレッシングよりはリトリート寄りの志向性が見られるので大きな問題は生じていない。
攻撃に目を向けると、ファン・ペルシー、スナイデル、ロッベンの個人能力を最大限に引き出した2014年W杯と同様に、個の能力を活かしたシンプルな攻撃メカニズムとなっている。ビルドアップ能力に優れたブリント擁する左サイドを軸に組み立てて、司令塔のフレンキー・デヨングが前線に運び、エースのデパイが崩しのタクトを振るう。右ウィングバックのドゥームフリースのダイナミズムも強みであり、左からのクロスに飛び込む形は得点パターンとして計算できる。
懸念をあげるとすれば、絶対的なストライカーが不在という点か。デパイは負傷明けであり万全のコンディションとは言いがたい。ベルフヴァインやヴェフホルストなど駒自体は揃っているが、ファン・ペルシーほどの得点力はない。もしかすると、最も頼りになるのはクロスに対して無類の強さを誇るルーク・デヨングかもしれない。
セネガルはマネの欠場が痛恨。若手アタッカーの覚醒はあるか。
オランダの対抗馬と目されていたセネガルは、何よりもエースのマネが負傷によりW杯を欠場するのが大きく影響するだろう。タレント揃いのセネガルの中でも最大のスターであり、左サイドを軸に崩しからフィニッシュに幅広く絡みつつ、カウンタープレスでも強度を発揮。チームバランスとしても戦術的にも影響力は絶大であり、代えが利かない存在だ。
B・メンディとクリバリをはじめとして好タレントが揃う最終ラインは、対戦国の攻撃力がそれほど高くないこともふまえると、一定の計算が立つ。となるとカギを握るのは攻撃面で、マルセイユのディエングやビジャレアルのジャクソンら若手アタッカーが大舞台で「化ける」ことができるかがチームの命運を握っている。
カタールとエクアドルは開幕戦が早くも天王山。
開催国のカタールはスペイン人指揮官のサンチェス監督が育成年代から時間をかけて作り上げたチームが花開こうとしている。2019年のアジアカップ王者に輝いた力は伊達ではなく、帰化選手の個人能力も活かしつつ、アジアでは屈指の戦術秩序をもった好チームに仕上がっている。
そんなカタールが開幕戦で対戦するエクアドルは、南米予選でコロンビアやチリを退けてのW杯出場。曲者揃い、遠距離移動、高地での試合などの苦難を乗り越えた力は侮れない。個人としても、プレミア屈指のセントラルMFになりつつあるカイセド、運動量と走力が高いエストゥピニャンをはじめ、要所に好タレントを擁している。粘り強い守備と速攻を軸にした攻撃は戦術的に整備されており、南米と似た側面もあるカタールの気候への順応も問題ない。
両チームにとっては開幕戦に命運がかかっていると言っても過言ではない。カタールは、開幕前の国内の期待感はそこまで高くないようだが、開幕戦でW杯初勝利をあげることができれば国内も一気に盛り上がり、波に乗る可能性がある。逆に開幕戦で敗れると国内は一気にトーンダウンすると考えられ、そうなればエクアドルの勝ち抜けの可能性が高まるだろう。
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